2006年08月31日
神のお告げを待っている!!
 ついに昨日米10年国債の利回りが4.75%まで低下しました。この3月末にFFレートを4.5%から4.75%に引き上げて以来の金利水準です。つまり現在のFFレート5.25%を2回引き下げた水準にあるわけです。この事実は市場関係者の頭を悩まします。

 この9月に政策金利の引き上げを休止する可能性は認めるにしても、引き下げはないだろうと誰もが思っています。しかし5.2%だった米10年国債利回りが、5%を割り込み、4.8%を割り込み、もし4.7%を割り込むようだと、もしかしたら引き下げがあるかもしれないというムードが醸成されます。このように「政策金利の引き下げの可能性は高い」と市場が先読みして、政策を動かしてしまう相場を「催促相場」といいます。

 こうして市場が催促する動きを、日銀、FRB、政府が追認する臭いを感じただけで、相場が急変しかねない、非常に神経質な状況にあると私は思います。

 FRB(米国)は長期金利のこれ以上の低下を容認するのでしょうか。ECB(欧州)はこれ以上のユーロ高を容認するのでしょうか。日銀は年内政策金利の引き上げはしないという市場の見方を容認するのでしょうか。市場関係者は、皆天を仰ぎ、神のお告げを待っている状況です。

 当たるも八卦。楽観は捨て、悪い方向に動いたときに、どう対応するかを準備したいと思います。

 
2006年08月30日
信頼できる人を紹介します!!
 情報が多すぎて、いざ困ったことが発生し、専門家に相談したいと思っても探すのが大変ですね。そんなとき、信頼できる人からの紹介があると助かります。「この人の紹介であれば大丈夫だろう」と安心ですし、紹介するほうも自分の信用に関わることですから、下手な人は紹介できないという責任を意識しているからです。

 大手銀行では手数料ビジネスを推進するために、系列の証券会社を完全子会社にして個人向け金融サービスを強化する動きがあります。こうしたグループ内で対応するは効率的に見えますが、顧客に対して、透明性を高め説明責任を果たす相当な覚悟が必要だと思います。

 紹介された人が身内だとわかれば、「何故この人が顧客のニーズに応えられるか」という説明を、他人を紹介する以上に丁寧にしないと、「これって手数料稼ぎ」と不信や誤解を生むことになりかねません。「わたしどものグループ力を信頼してください」だけでは通じません。

「日本の投信は何故運用が下手なのか」という疑問に対して「販売する証券会社と運用する会社が系列関係で持ちつ持たれつの関係があったから」という見方が根強くあって、証券会社と投信会社はこのマイナスイメージを払拭しようと、脱親会社、脱系列子会社で単独で生きていけるように、長年かけて、今でも苦労しています。

 大手銀行は証券子会社が金融サービスを行うベストパートナーであると顧客に評価してもらえる確信があるのでしょうか。茨の道を選んだ大手銀行の今後に注目したいと思います。

 
2006年08月29日
つまらない!!
 為替の動きは止まり、株価も動かず。内外金利も半年前の低い水準で落ち着いてしまった。次回の個人向け国債の条件は久々に利率が低下する状況になりそうです。

 また8月のドル為替は5年連続で大幅円高になった月ですが、今年は114.58円で始まった為替は円安で引けそうです。

 現在の位置は妥当な範囲内にあると考えています。つまり今投資するということは、割高にならないと利益がでないところにあるということですから、中長期の投資スタンスで臨むならともなく、短期志向で入ると「こんなはずではなかったのに」という罠にはまる可能性があり注意しています。

 「つまらない」と相場にいらつくのは体に良くありません。今日で世の中が終わるわけではなし。焦らず「割高・割安」に振れるまで「休む」のも必要でしょう。

 
2006年08月28日
「濡れ手に粟」の株式投資を教える必要があるのか!!
 本日、ある大学の学生さん向けに簡単な講義をしました。参加者10人程度の少人数で、男女の割りは半々です。久しぶりの若者との会話にうれしくなりました。内容は「株式投資のその前に」。

 全員が株式投資未経験者だったため(自己申告)、株式投資で得するってどれくらい?損するってどれくらい?バブルの時期は、「とてつもなく儲かる時期」であり、「とてつもなく損する時期」であること。
 株価は何故上がったり、下がったりするのか。株式投資で勝つために最低覚えておかなければならない基礎知識について、など話をしました。
 学生の皆さんは「ふんふん」と聞いていましたが、おそらく頭にはほとんど残っていないと思います。私はそれでもいいと思って、今日は話しました。このうちの何人かが、将来株式投資を始めようとしたときに、「そう言えば株式投資に飛びつく前に、これだけは押さえてから始めるようにって偉そうに言っていたなあ」と、事前の基礎知識が必要なことを思い出してくれればOKと考えました。

 最後に取りまとめの年配の方から「株式投資の必勝法など刺激的な話しを、若いうちに教える必要があるのか(かなり意訳しました)」と質問を受けました。
 私の答えは「投資未経験者が株式投資の予備知識を持つことは非常に意味があると考えます。株式投資はいらないと最初から切り捨てると、いざやらざるを得ないときなると、いきなり預金から株式投資や不動産投資しか思い浮かばず、勢いでリスクを取って失敗し後悔することが多々あります。
 株式投資は数ある投資手段の一つであることを知ること。やる、やらないは別として株式投資の予備知識があれば、「今が取り組むべき時かどうか」をいったん受け止めて考える冷静さに結びつくかもしれません。「知らない」ことが「暴走」につながります。投資のやり方に選択肢が多いに越したことはなく、そういう意味では、できるだけ若いうちから投資教育は必要だと思います」。

みなさんはいかがお考えですか?

 
2006年08月27日
質にこだわりたい!!
 人手不足で仕事が滞ったり、新規出店を見送らざるを得なくなったり、業務に支障があちこちで出始めています。バイトの時給も2002年調査以来、最高値を更新したとの事。

 品質で信頼されたブランドである、トヨタやソニーの不良製品リコールのニュースが驚きがなく受け止められている状況が個人的にはショックです。そんなに、ブランドイメージに鈍感であっていいのでしょうか。質の信頼を築くには長い実績が必要ですが失うのは一瞬です。
 
 楽天証券が市場金利が上昇したにもかかわらず、他社との差別化のために、信用取引の貸借金利を逆に引き下げると発表しました。金融機関の責任は、サービスの質を落とさずに企業を存続させることです。一時的なポーズになれば、投資家の信頼を失います。

 バブルのころ、新入社員を呼び込むために福利厚生の充実を兼ねて、社員寮の横にゴルフコースを作った地方の中小企業の話しを聞いたことがあります。当時もっと他にやるべき手はないのかと感じたことを思い出しました。

 キャノンは安い労働力を求めて海外に進出するよりも、ロボットなどを利用して人件費を抑え、国内工場で質の高い製品を作っていくと言われています。
 人手不足の時代だから「サービス・製品」の質が落ちるのは仕方ないという企業に慢心が出始めているのではないでしょうか。これでは消費者の気持ちが離れ、景気が頭を打つのも近いのではと懸念します。差別化をはかるなら、目先のコスト、手数料の安さではなく、質の高さで勝負したいと思います。「安かろう悪かろう」のイメージがついたら退場しかありません。

 
2006年08月26日
期待するからストレスになる!!
 昨日、ある男性から金融機関の窓口で投資の相談をしても、「わかるのは自分で扱っているものだけで、他で扱っているものに関してはわたしどもはわかりません」と説明を受けて、それでプロといえるのかと憤って電話をかけてきた人がいました。

 私は答えました。それが実情です。金融機関の窓口担当者がすべて金融のプロというわけではなく、大半は金融機関に勤めている人と考えたほうがいいでしょうと。
 何故なら、さきほどのような顧客応対をすれば、顧客は内容は理解できないけど「この人に相談しても無駄だな」と大抵の人が感じて相談をしなくなります。投資アドバイザーとしての力は、顧客との相談・問い合わせをどのくらい受けて、それを顧客とどうやって解決していったかの経験値がものを言います。その経験するチャンスをチャンスとも感じず、担当者は捨てているのですから、経験値が上がるはずがありません。もったいない話しです。
 自分が取り扱っている投資商品の良さを顧客に案内するときの迫力は、他と商品比較した経験があるのと、ないのとでは大違いなのは少し考えればわかりそうなものですが、実際現場でこの比較ができている人は少ないですね。

 その男性は憤るだけあって、ある程度商品知識を持ち合わせている投資中級者の人でした。インターネットで情報を取れないといわれていたので、以下のようにアドバイスしました。個人で取るよりも、金融機関の窓口のほうが、株価や金利、為替などの情報が取りやすいことに注目して、担当者に多くを求めず、「この一年間の為替推移を見たいのですが」など、自分では取りにくい、欲しい情報を取り寄せる選択肢として利用してはと。こうしたやり取りを面倒に思う担当者もいるでしょうが、中には「このお客さんのためにためになる情報はないか」とその後ためになる担当者候補が見つかるかもしれません。金融のプロにめぐり合うためには、投資家にも努力と忍耐が必要な時代になったということでしょうか。
 
 

 
2006年08月25日
人気があるなら売るのは当たり前??
 最近の円安傾向で、一時の円高脅威の見方が落ち着き、外貨投資に目が向いて、高金利資源国通貨である豪ドル・ニュージーランドドルのオセアニア通貨やメキシコ・ペソ、南アフリカランドが注目されているそうです。

 私が大和証券時代、個人に外国債券を販売する際に、これだけは守らなければならいと決めたことがあります。それは“稜笋靴唇幣紊蓮⊂来購入した人が売りたいといわれた場合必ず買取ができるものを販売する、顧客から為替や金利の状況を聞かれても答えられるように、毎日情報収集が可能な地域の通貨をえらぶこと、でした。

 いつの時代も、債券は金利が高いもののほうが顧客には好まれますし、売りやすい。その当時高金利通貨で人気があったのは豪ドル、カナダドル、南アフリカランド建てでしたが、当時豪ドルでさえ、毎日取れる日本語情報がありませんでした。現在の為替の位置は高いのか安いのか。何故そうなのか。金利は高いのか低いのか。何故そうなっているのか。今後の見通しを立てるのに、注目しなければならないポイントは何か。などなど。販売する側は販売したあとも顧客が投資判断に役立つ情報を求められたら、提供できる体制が整っていることが、顧客の自己責任に応える販売側の責任だと考えます。

 現在でもメキシコ・ペソ、南アフリカランドなど、いくらテレビチャンネルをひねっても(古い?)、いまだ情報はありません。今までがどうだったのか、今後はどうなるのかを、個人がどのように情報を取ったらよいのでしょうか。

 「他社が高金利の南アフリカランド建て債券を案内している。それよりももっと高い金利の通貨建ての債券でないと売りにくい」という目先の売り方をする金融機関の姿勢はいかがなものでしょうか。金利の高さだけを強調する売り方は長続きしません。
「こちらのほうが金利は少し低いですが、情報が取りやすく、換金に不安のない通貨であるというメリットがあります」と、まず基本を押さえてたうえで、ニーズに合った外債を提供してもらいたいと思います。

 
2006年08月24日
大きいから仕方ない??
 日本経済新聞社が三大都市圏の個人を対象に調査した第3回日経金融機関ランキングの結果を見ると、印象が強い金融機関の上位をメガバンク・郵便局が独占しましたが、顧客満足度ではネット銀行や地銀・信金の頑張りと都市銀行の不調が今年も目立ちます。
 都市銀行は、預金金利が低い、事務処理が遅い、顧客本位の経営をしていないなど、普通の企業であれば存在意義さえ問われていると悩む評価です。

 規模が大きいと預金者にきめ細かいニーズに応えるのはそもそも無理なのでしょうか。顧客満足度の上位にある地銀や信金の規模は地域の中で比べれば、都銀の支店とさほど変わらないところもあります。その地銀や信金が上位にあるということは、規模が大きくて小回りが利かないという理由で済まされないように思います。
 「すべての商品を揃えています」という品揃えの多さに胡坐をかいて、顧客ニーズの変化についていけなかった百貨店や大型スーパーはコンビニや専門店に顧客を奪われた過去があり、そして今顧客ニーズの把握に腐心した百貨店が復活しました。

 「規模が大きいから仕方ない」と預金者が本当に思っているのであれば、顧客満足度が低いわけがありません。規模が大きな都市銀行でも、顧客満足度上位に入るサービスは可能だと期待しているからです。新しいことは期待しません。まずひとつの不満を解消してください。「最近都市銀行もサービスがよくなったね。使いやすくなったね」といえる日を期待しています。

 

 
2006年08月23日
理路整然と間違える!!
 相場が上がった、下がったの分析がやかましくなり、まことしやかに「だから上がったんだ、下がったんだ」と悦に入る結論が出て先行きの読みに強気になると、そこが目先の転換点となり間違えることが多くあります。こうした理屈が通ったときに相場をはずすことを「理路整然と間違える」といいます。

 ついに昨日、米国の10年長期金利は4.81%まで低下し、ドル為替は1ドル=116.82円まで円安になりました。6月に米国が政策金利を5.25%に引き上げる直前につけた5.24%から0.4%以上低下したことになります。
 現在政策金利5.25%であるにもかかわらず、それよりも十分長い10年の金利がそれを下回る水準であるということは、「政策金利が目先更に上がることはない」、「政策金利が近い将来下がるかもしれない」というマーケットの見方の反映です。
 これは大体の目安ですが、政策金利5.25%であれば、それから上下0.2%、つまり5.05%〜5.45%の範囲であれば、政策金利5.25%は妥当水準。5%〜4.8%まで低下すれば、「近い将来政策金利の引き下げもあり得る」。現在がこの水準です。しかし更に4.75%から4.6%まで長期金利が下がれば、市場は「いつ政策金利が下がってもおかしくない」と判断したことになります。

 現在は2004年6月から17回連続で引き上げてきた政策金利が初めて引き下げる方向で意識した場面です。個人的には4.8%以上の低下は行き過ぎだと思いますが、常識の壁を越えてからが相場の本番を迎えることがあるので要注意。そうなれば、外債投資に消極的だった国内機関投資家が予想に反した金利低下、円安の急な動きを見て、焦って買いに走るかもしれません。9月20日の米国政策金利決定の行方まで、米国金利、ドル為替の動向は要注目です。

 
2006年08月22日
ニーズと人をつなぐ仕事!!
 安ければ是非うちにもと考えているものに、家庭用燃料電池があります。水素と酸素を化学反応させて発電する燃料電池を家庭で使うシステムです。しかし、現在1台の製造原価が500万円かかり、とても手が届く値段ではありません。何よりもこれだけのコストをかけて、通常の光熱費と比較して見合うまで何年かかるのでしょうか。一般家庭には、最低50万円以下まで大幅値下げをしないと普及しないといわれているようです。

 かなり昔に聞いた話を思い出しました。山奥の高圧電線が大雪の被害で断線し停電となって、その修繕に人、時間、お金が膨大にかかったそうです。そこで電線が凍らないように対策をしようと考えたときに、ポンプで水を送り電線に浸して凍らないようにするという方法をメーカーが思い付きました。しかしそのポンプで水を送る装置を作るのに20万円(数字は定かではありませんが)もかかると見積もったため、とても対策として現実的ではないと見送られたそうです。
 しかし町の金魚やさんで空気を送るポンプを見て、これを利用できないかとメーカーの人が考えたそうです。機能的には問題がないことがわかり、見積もりを出してもらうとモーター込みで1000円程度とわかって、一気に商談としてまとまったそうです。

 いろいろなひとが家庭用燃料電池に興味を持ち、なんとかコストを下げることはできないか、この部品が安く製造できれば最終製品価格をもっと安く提供できるのに、という問題意識が共有できれば、「うちのこの技術は利用できませんか」という思わぬ進展が期待できるかもと、先ほどの話を思い出しました。こうしたニーズと技術を結びつけることを仕事にする人がいると聞きますが、今の世の中必要な人材だと思います。

 
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