2007年03月31日
売っても、買ってもいいのが妥当水準!!
 2006年度の株式相場が終わりました。日経平均株価の終値は17287円65銭で、前年度末比で+1.3%。売買代金は前年度末比1.2倍の609兆円で過去最高でした。東証一部企業の時価総額の数字556兆円を超えました。

 為替について言えば、1ドル=117円66銭が117円78銭。1ユーロ=142円56銭が157円29銭。1豪ドル=84円24銭が95円20銭と、通貨ドル以外は今年度も大きく円安に振れました。日経新聞の記事では、ついに個人が保有する外貨資産残高は40兆円となり、「ザ・セイホ」と機関投資家としてスタープレーヤーである生命保険会社全体で保有している外貨資産を超えました。それでも個人金融資産1540兆円から見れば、40兆円はまだまだ大きな割合とは言えず、ますます為替市場は個人の動向に目が離せない状況です。

 くどいようですが、私は日経平均株価の17000円、ドル117円は、現在の投資環境では妥当値だと見ています。妥当値ということは、売っても良いと思う人もいれば、買っても良いと思う人がいる水準だと考えます。従って下値が固そうで、待っていても安く買えそうもないと見れば、取り敢えず買いたいと思う人が増え、逆に上値が重そうで、待っていても急騰は無さそうだと見れば、取り敢えず売っておこうと思う人が増えます。結果、株価は上下に振れることになります。

 個人的には当面4月はいろいろなイベントが内外で抱えていて、不透明な環境が続きますから、後者の上がりづらい相場が続くと予想しています。

 昨日、私のクライアントから「外貨資産でドル比率が高いので、近いうちに円に換えておく考え方はどうか」と尋ねられました。私はドル117円は妥当値であり、円高に振れる場面があってもいずれ117円には戻り、122円程度までの戻りはいつあってもおかしくないと考えています。しかし、近いうちに円に換える可能性がある資金であれば、その時点で円高になり後悔する可能性もあり得るので、「ドルを円に換える予定がある資金であれば、今の水準であれば問題ないと思います」と答えました。

 割高にあるものはいずれ妥当値で止まらず割安まで売られないと妥当値に戻ってきません。「今はバブルじゃありませんか」と聞かれて、専門家が「今回は違う。まだバブルじゃない」と言い始めたら、「切れてますか?」「切れてない、切れてない」というやりとりに似て、ちょっと冷静になれるポジションに立って、今後について立ち止まって考えることが必要だと思っています。

 
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2007年03月29日
わかっていればみんなに売らなかったのに??
 私はこの国の将来はどうなってしまうのだろう、技術立国日本という言葉が死語になりやしないかと懸念しています。無事我が息子は高校受験を終了しましたが、受験前に「別に100点取らなくちゃ合格できない訳じゃないから、捨てる問題があってもいいんだぞ」と息子に話したところ、彼の答えは「わかってるよ。俺の試験のコツは試験問題の長いものはまず捨てること」。「ふーん。えっ?」、まさかと思って問い返しました。
 「それって長文読解の問題を捨てるって事?それとも問題の問いが長いものを捨てるって事?」。「当たり前じゃん。問題が長いと何言ってるのかがわからなくなって、読み返すと時間がかかるから」・・・。やっぱり。問題が長いを理由に捨てていったら、解く問題自体が少なくなって受からないじゃんか。オーマイゴット。
 息子の肩を持つわけではありませんが、問題の意味が理解できない、戦う前に破れている受験生が多いようですね。

 金融商品でも「条件」「特約」が付いた複雑なものが増えました。先日、有利誤認の不当表示で、公取委は新生銀行の仕組み定期預金に対して、排除命令を出しました。

「為替動向によって元本を円やドルで受け取る仕組みで、元本を円で受け取る為替の基準レートを円安に設定すればするほど受け取る金利が高くなります。したがって円高が進むと為替差損で元本割れするおそれがあります。」

 この私の説明文を読んで理解できる人は、相当金融商品に予備知識のある人だと思います。私の息子であれば、間違いなく、時間の無駄として、解くのを諦める問題レベル。この仕組み定期預金の例だけではなく、「商品の理解が十分でない人にそのまま販売したら、顧客トラブルになるかもしれない」という金融商品が、不特定多数向けに販売されています。
 私は疑っています。こうした金融商品を、平気で不特定多数向けに販売している金融機関には悪気はなく、売れるから売るを優先し、将来顧客とのトラブルが発生するとは予見できていないのではと。つまり、「商品を十分理解していれば、こんな売り方はしなかった」というケースではないかと思うのです。

 新生銀行は再発防止として、消費者に広告をチェックしてもらう仕組みを4月から始めるそうです。消費者の目線で理解できるものかをチェックしてもらうのは一案だと思います。しかし広告のチェックは勿論大事ですが、広告を作る前に金融機関自身が採用する段階で金融商品の内容をあらゆる角度で検証し、「その金融商品はどんな人にニーズがあり、どんな人には販売してはいけないか」ということを確認してから世に出すべきでしょう。

 
2007年03月28日
再び妥当値に戻ってきた!!
 本日は再び為替は全般的に円高に振れ、ドルは117円手前。日経平均株価は下げ、17000円手前となっています。円高は3月決算特殊月の月末を控えた、国内に資金を戻す季節要因で、株の下げは配当落ちを機に売却する動きが重なったためと、説明する人が多い。

 先日もプログで書きましたが、為替で言えばドル117円、日経平均株価で言えば17000円が現在の実力の妥当値だと私は考えています。その中で日経平均株価が17000円の水準の割には、この株価は「割安だ」、「割高だ」という個別株式の水準に注目しています。為替でも同様です。ドルが117円の水準の割に、ユーロや豪ドルは割安か、割高か、そしては円はどうかと注目しています。

 相場はイランを取り巻く情勢に神経質になっています。そして最近は原油や金が上昇してきました。
 国内に目を向ければ、都知事選を含めて、政治の今後も流動的です。私は埼玉県の住人ですが、県議会選挙がこれまで以上に熱いですね。いろいろな政党候補者から「みなさんの協力をお待ちしています」と選挙ボランティアの案内を受けています。これは「既存政党の看板の頼りなさ」と「無党派層に見限られる不安」の表れでしょうか。これまでの選挙の戦い方では勝てないという、試行錯誤の様子が伝わってきます。

 にもかかわらず、国政ののんきなこと。「あーやっぱり。5年と2年の間を取ったか」という、新・人材バンクへのあっせん一元化を設置後3年以内とした安易な首相裁定。やれやれ、また先送り、骨抜きの決着になるのかあ?という感じ。

 こうした不透明な要因が山積する中、日本株式がここから、すぐさま急騰するとは私には思えません。しかし、悪い話が連日のように表面化したことにより、過剰な期待感もおさまってきましたので、妥当価格から割安になり、そして割安に放置されたものを発掘する準備期間を与えてくれそうな予感がします。この4月から6月にかけて、じっくりと仕込む機会が来ることを楽しみにしましょう。

 
2007年03月27日
投資はロボットに任せて楽ちん生活を目指す??
 コンピューターの発達に伴い、人間ではとても追いつかない計算を瞬時に行い、手作業では到底追いつかない莫大な事務作業を難なくこなせるようになりました。たとえば、最近の株式環境は過去のどの場面に似ていて、その時に割高割安のモノサシとして何が有効であったか、そして最近の株式環境で有効なモノサシにどんなものがあり、それに基づくと、具体的に何が割安に放置され、何が割高に買われているのか。
 売買注文を発注する際には、どのくらいの株数で、どのタイミングで、どこの証券会社に発注したら、コストが安くて、速やかに約定が出来るのか、などを、何千、何万という選択肢の中から選ぶ作業をする。まさに人間業ではありません。

 このように機械に任せた売買をシステム売買と言いますが、私は実のところ「システム売買」が大嫌いです。過去の例から成功パターンを抽出し、現在に当てはめるものが大半だからです。投資をやっていて、よくありませんか?「あれっ、前はこのパターンで儲かったのに」って事。前のパターンに当てはまらない相場になると、勝利の方程式だと思っていたやり方に固執して、転換が遅れ大きな損をしてしまった事。私は勝利の方程式の存在を信じません。大事なのは、逆境の時にも冷静な判断に戻れるような「平常心」を養うことだと思います。システム売買で「勝利の方程式」なんてものを持ったなんて慢心していると、「平常心」の邪魔になり大きな損をすることになりやしないかと危惧します。大事な資産を機械に判断まで任せて、あなたは良いのですか?結果責任は機械が負うのではなく、あなたですよ。
 機械で作業の効率化を図るのは大いに結構ですが、最終判断は人間様が行いましょうよ。

 先日、昨年5月の世界コンピューター将棋選手権で初出場で見事、世界一に輝いた「ボナンザ」という将棋ソフトと、将棋界のタイトル保持者「渡辺竜王」との対戦がありました。会場の参加者には「是非渡辺竜王に勝ってもらいたい。将棋ソフトから免状をもらう世の中になったら淋しい」というエールがありました。
 序盤でまだ先が見えていない段階のところで、「ボナンザ」は勝負の決めに出る手を打ってきて「渡辺竜王」は一瞬戸惑ったそうです。「ボナンザはもう、この段階で勝てると思ったのか」と思ったそうです。まるで剣道で向かい合っていて、何もしていないのに「参りましたと言え」と言うのか。漫画北斗の拳で「おまえは既に死んでいる」と言われたような・・。
 結果めでたく渡辺竜王が勝ちました。なんだか、すごくほっとしました。いずれ、チェスのように、コンピューターソフトに負ける日が来るのかも知れませんが、是非人間様の切磋琢磨で乗り越えてもらいたいと期待します。

 世間の人からどんなに「前川さんって頑固ですねえ。これだけ実績が上がっているのだから、意地張らずに投資ソフトを利用しましょうよ。お金のことは任せて、人生を効率よく生きてみませんか」と言われる世の中になったとしても、私は絶対ロボットの言いなりで投資と付き合うことはしません。自分でやるから経験になるんです。「次はこうしよう」という知恵になるんです。私はロボットに投資を委ねることは絶対しません。

 
2007年03月25日
中途半端な幕引きは許されない!!
 テレビ朝日の「サンデープロジェクト」で日興コーディアル証券の上場維持を取り上げた討論を聞いていました。このプログでも書きましたが、このまま世間の関心事に答えを示さずに、中途半端な幕引きをしたと思われていては、日興コーディアル証券の関係者、そして日興コーディアルグループを応援しようとする人の気持ちがくじけてしまいます。

 上場企業の不透明な対応が世間で問題視されている中、証券業界の活性化と信頼回復のために、日興コーディアルグループは今後も事実確認を行い、経営責任の所在を明らかにし、司法を含めた関係部署と連携を取り追求していく態度を貫いてもらいたいと思います。
 あいまいにして幕引きをしようと考えても、人の口には戸を立てることは出来ません。いずれまた、対応に不満を持つ人たちの内部告発などで世間に晒されることになるでしょう。せっかく上場維持が決定して再スタートを期す人、期待してくれた人を裏切ります。引き継いだ経営陣は、次はもう無いと覚悟して取り組んでください。まだ世間は許したわけではありません。潔い自浄作用で、世間の常識に照らした納得のいく幕引きを期待します。

 
2007年03月24日
またひとつ残念なことが・・!!
 IPO、新規公開銘柄の公募株が人気なのは、「公募価格」自体は同業他社比較で割安に設定されていることが多く、公募が当たれば上場時の売却で利益が出る可能性が高いからです。企業側としては、以前「公募価格の設定が高すぎたから損をした。善良な株主を食い物にして、公開企業の責任が果たせるのか」と轟々(ゴーゴー)の非難を受けた反省から、公募価格を控えめに設定する傾向があります。

 ところが昨日、証券取引等監視委員会は、証券取引法に違反したとして、エイチ・エス証券を行政処分するように金融庁に勧告しました。2004年同社が主幹事証券を務めた「21LADY」の新規上場の際に、不当に高い公募価格の設定に同意し、投資家保護の要件を満たしていないという理由です。
 調べによると21LADYの社長は、公募価格を設定する際に「時価総額100億円となる価格が妥当」、「最低でも以前発行したストックオプション(株式購入権)を上回らなければならない」と主張、エイチ・エス証券は理論値の2.3倍にあたる公募価格を設定した疑い。
 
 04年10月の公募価格は11万円。上場時につけた高値は9万5千円。昨日23日引値は5万100円。本当に理論値の2.3倍が公募の11万円の株価だとすれば、理論値は4万7800円。
 ちなみに、この会社の収益の大半である94%がシュークリームで有名な「ヒロタ」事業。不二家の時もそうですが、店頭で「シュークリームいかがですか」の店員さんや、それを楽しみにしている買い物客には何にも罪はありません。しかし、こういう話しを聞くと暗くなりますね。ある意味で、夢を売る商売じゃないですか。

 会社の経営陣が悪いのか、幹事会社が悪いのか、あるいは同類なのか。何が良心を狂わせてしまったのでしょうか。会社、幹事証券が組んでしまったら、投資家は真実を知る対抗手段はありません。株主や投資家の信頼を裏切った罪は大きいです。

 
2007年03月23日
渡辺行政改革担当大臣頑張れ!!
 最近は「そんな対応が世の中に通じるの?」と思うことが多すぎますね。架空の高熱費計上がばれても「法的には問題ない」と言い張る大臣、それをかばう説得力のない首相。「俺のやってきた偉大な功績からすれば、非難されることは小さいこと」と傲慢な態度を見せる知事。どう考えても、「タミフル服用とその後の異常行動とは絶対関係がない」と言い切れないだろうに、とみんなが思う疑問に対し、断固否定し続けてきた厚労省。「過ちては則ち改むるにはばかる事なかれ」。過ちを犯したときは躊躇することなく速やかに改めよと先人は言いました。

 そんな自民党を追い込めない野党、特に民主党は情けない。求められてもいない選挙応援で仕事をする振りをせず、目の前に積み上がった問題をひとつ解決するために動いてもらいたい。重要課題を自分がいないかもしれない何年も先に延ばして平気な顔している皆さん。そんな対応が世の中に通じると思っているのか?国民はなめられたものです。

 その中で「天下りあっせんを認めない」「改革の骨抜きは断じて許さない」という、佐田なんとかさんの代わりに任に付いた渡辺大臣。政・官の抵抗勢力から「常識がない」と非難されているようですが、「あんたから言われたくないよ」と受け流し、安倍首相を巻き込み、実をなんとか取ろうとする姿勢は、久々に頼もしい存在です。
 彼の行為を売名行為、スタンドプレイと揶揄した政治家がいました。実際がどうかはわかりませんが、私には彼が大臣に未練があるようには見えません。「この時期に自分がやらなければ」という使命感と意気を感じます。
心ある政治家は、そんな彼の立場を擁護して、積極的に問題に関わることを期待します。「彼の手柄になってしまう」などと小さいことを考えずに、信頼できる政治のために、党利を離れた行動を期待します。

 正直今の政治活動を見ていると、「あの人に票を入れてもいいけど、あの党には入れたくない」と思います。「できれば自分の一票をマイナス票にして、あの人を落としたい」と思います。党・派閥ばかりを見ず、国民に向いた政治。危機感を持った政治家の勇気ある行動を期待します。現在ある課題をなんとか解決に向けての歩にする、姿勢を見せてください。先送りで許されるなら政治家は要りません。
 
 

 
2007年03月22日
本日は部屋の整理をしています!!
 昨日のNYダウは約160ドルと急騰し、為替も円安。日経平均株価は17000円を抜け、ドルも117円乗せ。すっかり妥当水準に戻ってしまいました。まだ、配当取り、株主優待の権利取りをした後の株安の可能性は残されていますが、少なくても本日買い場はありません。そこで私は朝早くから部屋の整理をすることに決めました。

 私は以前もご紹介したと思いますが、私が妥当だと思う水準は、たまたま語呂がいいのですが、「日経平均株価17000円、ドル117円、10年国債利回り1.7%」だと考えています。したがって、ここから株価が更に上昇するようであれば、今回下への突っ込みが少なかったため、それほど上も期待できないと想定しています。現在株式を保有している人にとっては、ここで追加投資を考えるよりも、むしろ利益確定の機会を探した方がよいと思います。

  それから、今回の下げ相場で「あの時やはり買っておけば良かった」と後悔している人と、「買えなかったなあ」とあっけらかんとしている人がいると思います。もし「買っても良い株価に届いていたのに」という後悔の気持ちが残っている人であれば、次回のチャンスでは少額でもいいですから手当てできるようにチャレンジしましょう。
 あの時もっと買っておけばと後悔する方がストレスにはなりません。 

 私は今日一日、相場を忘れて、ゆったりします。

 
2007年03月21日
本業の邪魔になる存在にならないか??
 せっかく本業で利益が出せたと思ったのに、為替が思っていたのと逆に動いて益が飛んでしまったり、企業の持ち合いや投資目的で持った株式が大きく値下がりして益が飛んでしまったら、外貨資産や株式は企業にとって、業績を不安定にするやっかいな存在になります。

 実際バブル崩壊後は、そうでなくても業績が悪化している状態にあり、その上外貨資産や株式の評価損で不安定にされたのでは堪らないと、株式の持ち合いを解消し、過剰な外貨資産を圧縮、円建ての割合を増やすなど、企業は必死の努力を重ねました。

 外貨資産は持っていれば円安に救われ、株式は含み益を増やし続ける。円高懸念で外貨資産を持つのが怖い、株式の値下がりが怖くて株式投資が出来ない、という環境はしばらく来ないと安心していて良いのでしょうか。

 景気は踊り場。すべてが浮かれた景気上昇期は企業の格差は目立ちませんが、踊り場になると、勝ち組と負け組の二極化が目立ちます。この一年で株価が2倍になった銘柄があったかと思うと、半分以下になってしまった銘柄もあります。
日立は米子会社に絡んで1800億円の株式評価損を今期計上します。富士通も子会社評価損で3500億円を計上します。新興企業の優良企業と注目されたいくつかの企業は、M&Aで合併吸収した会社が思うような収益を上げられず、過大に投資したつけを払い、本業が好調であるにもかかわらず赤字になったものもあります。

 こうした株式評価損で本業の業績が左右されてしまう例が増えてくると、法人は株式持ち合いに対し、これまでより慎重になり、効率の悪い子会社を整理する動きが増えるでしょう。したがって今後ますます株式投資には企業を選別する目が問われ、個人と外人投資家が投資家として、存在感は高まると思われます。昨年は利益を上げるのに難しい株式相場だったと私は思いますが、今年は更に難しい相場になると思います。

 
2007年03月19日
投資は車の運転と同じ!!
 キャノンマーケティングジャパンという会社が金融機関向けに「投資商品の顧客説明が十分なのか」をチェックするシステムを開発したそうです。顧客に投資商品の説明を徹底させる金融商品取引法が今夏に施行される予定で、金融機関の間では、これまでの投資商品の説明方法が十分であったか、今後の取り扱いで改善点はないのか、と神経質になっています。

 投資商品を販売する際に、「顧客のニーズにあった商品なのか」、「リスクの説明は十分であるか」、「顧客の商品に対する理解は十分であるか」などを、チェックし、クリアした上でないと販売することができない。こういった事柄はもちろん、顧客保護の観点から大事なことです。
 しかし、顧客に投資商品を販売して、万一その後のトラブルになった場合でも、顧客の自己責任として「金融機関が負けないための方策である」という風に、ヒアリングが目的になってしまうと、顧客にとって不愉快なものになりますし、顧客も迂闊にサインしては自分が不利になるかもしれないと金融機関を不信に思う気持ちを強める怖れもあります。金融機関は顧客のニーズを組んで、それにあった投資商品を第三者として選択肢を示してあげる「水先案内人」の立場が理想だと思います。あくまでも選ぶのは当人で、選べるだけの判断が出来るように助言することが必要です。「訴えられる」「訴える」といった敵対する立場を前提にして、よい投資助言ができるわけがありません。

 投資は車の運転と同じで、車を運転したいと自分で思った人が勉強して、試験を受けて、免許を取りに行くものだと思います。ドライブしたいとか、仕事に使いたいとか、年老いた親の足になりたいとか、車を運転する動機は異なるでしょう。いざ初心者が車を購入しようと思っても、どれを選んだらよいのか、選ぶ際のポイントはどこなのかなど、人の助言がないと途方に暮れてしまい、買える値段で選んでしまったり、人気のある売れ筋を選んだり、してしまいがちです。

 車は自分の動機・目的を達成するための道具です。車を買うこと自体が動機でも、目的でもありません。投資も同じです。投資することが目的ではなく、目的を達成するための手段でしかありません。しかし大抵の人は自分が投資をやる意味を明確に持っていませんし、明確な人でも何を使ったら達成できるのかをイメージできる選択肢を持ち合わせていない人が多いです。金融機関にとっては、顧客トラブルを避けるための過不足のない商品説明よりも一歩先の、顧客との投資相談がスムーズにできる環境作りを心がけてもらいたいと思います。そのためには、顧客が自分で判断するために必要な投資教育の場を多く提供することです。そして、「投資家の理解さえ進めばきっとお客様は商品の良さを理解してもらえる」という、第三者として評価した優秀な商品の品揃えをはかることです。

 投資家の皆さんは、まず自分の投資目的を確認しましょう。投資に何を期待するのかに注目してください。そして、それを達成するにはどんな商品があるのか、選択肢は多いに越したことはありません。そして最後に、今投資をすべきかどうかを自分の納得で決めましょう。
 「どこから手を付けたらよいかわかりません」という声が聞こえてきそうですが、それをサポートするのが金融機関に求められていることだと私は思うのです。
 顧客説明が十分なのかをチェックするシステムが必要なのはわかりますが、それが解決に向けた一歩なのかというと、はなはだ私は疑問です。

 
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