2008年01月31日
注目された米国政策金利は期待通りの0.5%引き下げだったが??
 先日もこのブログでコメントしましたが、米国FRBの金利引き下げのタイミング、引き下げ幅は、言われるほど、そんなに遅く、そんな物足りない幅だったのでしょうか?
原油が100ドルをつけた後も未だ90ドル台にあり、穀物価格・資源価格は景気停滞感が強まる中でも、景況感お構いなしに高止まりしています。そんな状況下で、何よりもインフレを警戒するFRBが市場の混乱に歯止めをかけるためとはいえ、よくぞ0.5%の大幅連続利下げに踏み切ったものだと私は意外に思っています。実際、市場では0.75%の大幅な緊急利下げを行った直後である今回のFOMCでは「据え置き」を予想する専門家もいたぐらいです。

 にもかかわらず、ニューヨークダウ株価指数が結局下げて終わり、日本株相場も下げて始まると「0.5%では物足りなかった。0.75%は必要だった」と専門家がコメントしたりしています。
株価の下落を止める手段はFRBの政策金利引き下げ頼りでよいのでしょうか?もし市場の期待通りの連続引き下げを行い、政策金利の下げ余地が無くなって。それでも、株価が停滞、混迷から抜け出せなかったままだとしたら。市場はFRBの判断を「よくやった」と褒めるでしょうか?
おそらく、市場の言いなりで弾を使い果たしたFRBに、「何故もっと先を考えて、大事な政策金利の引き下げを効率よく使わなかったのか」と非難されることでしょう。FRBは「生きるべきか、死ぬべきか」、ハムレットの心境ですね。気の毒に思います。しかしバーナンキ議長があんまりにも素直に市場の言うことに従うのを見ると、逆にバーナンキ議長に確固たる信念があるのかと少し心配です。 
 市場の言いなりを続ければ、市場はまた調子づき、行き着くところまで行くバブルを呼び込み、政策金利の下げ余地を無くし、減税で活性化させる財源もない、みじめなアメリカになってしまうかもしれません。そうなれば、欧州、日本はもちろん新興国にも大きな打撃となるでしょう。ここは米国の問題としてではなく、各国が自国の問題として、協調姿勢を市場にアピールするしか、道はないのではないでしょうか?

 そういう意味では「政策は買い」という時期はそう遠くないと考えます。
実際本日の日本株相場は、米国の政策金利引き下げがあっても株式相場が弱含みで始まったのを見て、いったんは売りをしかけたものの、余り下がらないのを見て、慌ててドテン買いに転ずるといった様子を見ると、「売りも恐くて仕掛けられない」、売り疲れが出てきたようです。今後、株価の下げを待っていた投資家の配当取りが相場を支える動きになるのではないでしょうか。

 下値が固まり、政策の後押し。「売られ過ぎ」から「妥当価格」への模索がいつ始まってもおかしくないと私は考えるのですが。少なくても、とても売る気にはなれません。

 
2008年01月30日
注目したい完全子会社になった、今後の新日興コーディアル!!
 本日より、日興はシティの完全子会社としてスタートします。現在耳目を集めるシティグループが、日本で何をやりたいのか。これからがお手並み拝見です。

 シティを良く思う人もいれば、悪く思う人もいます。シティに期待する人もいれば、だまされていけないと警戒する人もいます。すべてにおいて、未知数な新日興コーディアルグループの門出です。

 少なくても、いったん不祥事で日本から撤退した経緯がシティにあり、このマイナスイメージを埋めて更に頼りになる存在になるには、シティ、新日興全職員の相当な覚悟と真摯な対応が求められます。「投資家無視」、「日本の株主無視」と非難を受けないように、細心の注意が必要です。

 そういう意味で、今後の日興コーディアルに対して、「お手並み拝見」と敢えて申し上げます。

 
2008年01月29日
最悪を覚悟すれば恐いものなし!!
 小泉元首相の言葉に「坂は3つある。上り坂、下り坂、そしてまさかだ!」。その「まさか」を相場はだいぶ織り込んできたのではないでしょうか?
国内企業3月決算見通しの下方修正、金融機関の巨額損失、円高ドル安進行、世界同時株安、不動産価格の長期低迷などなど。逆に言えば「どっきり」することがだんだん見当たらなくなってきたため、今ここで急いで買う材料もないし売る材料もない。相場は膠着状態に入っています。

 その中で未だに、「どこまで上がるのを期待して良いのか」、「どこまで下がることを覚悟すればよいのか」が定まっていないのが新興国株式。確かに最近の大きな下げ幅は目立ちますが、元々のスタート地点を考えればまだまだ利益確定が可能な投資家はウンジャリいます。
 現在でも「日本の企業に投資するぐらいなら、アジアを含めて新興国株式の方が興味ある」という声を聞きます。「中長期で見たら買い」・・・。

 私は今後の投資は以前と同じ戦い方では勝てないと思っています。今後も運用に困ったお金が効率を求めて動いていく環境が続くのは変わりませんが、つい最近のように「何だったら安いお金を借りて集中投資をする」という借り入れして運用する投資家は少なくなり、過剰な投資、集中投資は避けて、分相応の資金で投資対象を慎重に選んでいく投資家が増えていくのではないでしょうか。慎重イコールわからないことには手を出さない。したがって「期待が高くても、どこまで上がるのかが読めないもの」よりも、「利益が確実に読めて、下がった場合の下げメドが立つもの」の方が投資対象としては好まれるのではないでしょうか?

 私が「新興国株式売り、日本株式買い」という構図を頭に描いている理由がここにあります。私には中国株やインド株などが「今後どこまで上がるのか、どこまで下がるのか」と聞かれても答えることはできません。しかし、日本株なら、日本の個別企業の株価なら、答えることができます。
これって、投資をする上で大事なことではないでしょうか?

 
2008年01月28日
朝青龍関と民主党!!
 昨日は、大相撲初場所千秋楽と大阪府知事選があり、力の入った横綱相撲で白鵬が優勝し、橋下氏が圧勝で府知事となりました。朝青龍関はやはり強い関取ですね。とても3場所ぶりの復帰とは思えない力強さ。今場所、白鵬関には「大相撲を支えるのは俺だ」という緊張感があり、その緊張感を保ち集中できたのは、朝青龍関が連日見せた、気力ある相撲取り組みがあったからでしょう。やはり対抗が強ければ強いほど、取り組みに緊張感があふれ、見るものを興奮させてくれます。

 一方、大阪府知事選はどうだったのでしょうか?東国原知事が橋下候補を応援する演説は圧巻でした。これだけの熱さを持てば「大阪も変わるかも」という期待を抱かせました。結果は橋下氏の圧勝。橋下氏の勝因として、「自民党、公明党が政党色を消して応援の裏方に回ったこと。大阪府を変えてくれると期待できる候補が他に見つからなかったこと」。つまり今回の選挙は橋下氏の個人に期待を寄せたものであり、自民・公明与党を信任したわけではなく、ましてや民主党は民主党を前面に押し出した結果であり、ペケマークを民衆からつけられたと反省した方がよいのではないでしょうか。「このままではダメなことはわかっているけど、民主党で本当にいいのか?」と、大阪府民は大きな疑問符をつけたのだと私は思います。

 現在異論もあり、もめている「つなぎ法案」ですが、これはまさしく、大阪府知事選並の展開ですね。「このままでダメなことはわかっているけど、時間切れで一旦ガソリン税が下がってもどうなの?その後の混乱はどう解決するの?」。結局、政府・与党も当てにならないけど、民主党も頼りにならない。両方とも頭を冷やして、もっとまともな争点で議論しろよ。そもそもこんなに国民生活に直結するような大事な法案を、何故これまで放ったらかしにしてきたのか?その方がもっと問題だ。

 自民党、民主党。どっちが白鵬で朝青龍なのかわかりませんが、緊張感がある、国民を引きつけるような政策を議論してください。牛歩戦術、座り込み。やめてくださいね。あなたの一歩、あなたの座り込みに、国民の血税はいくら充当されているのでしょうか?取り組みは強いもの同士でなければ盛り上がりません。「東国原氏を知事にした長崎県がうらやましい(失礼しました。長崎県ではなく、宮崎県でした)国政に人材はいないのか?」。そんな気持ちで国政を眺めている国民が相当数いるのではないでしょうか?

 
2008年01月26日
仏銀2位のソシエテ、ディーラー不正取引で巨額損失!!
 世の中には思いもよらないことが起きるものです。
 昨日、資本金1000万円の会社が「トヨタ自動車」、「ソニー」、「NTT」、「三菱重工」、「フジテレビ」、「アステラス製薬」の6社の株式を51%取得したと電子開示システムを通じて公表しました。これだけの株式を取得するには約20兆円必要です。金融庁は事実確認を急いでいるそうですが、既に公表されてしまった後ですから、公表前にチェックする機能がなく、こういう事態を想定していなかったこと自体、お粗末な話しです。虚偽報告で相場がいたずらに動かされ投資家がいらぬ迷惑をかけられた場合の責任はどこが取るのでしょうか。そしてこの報告が虚偽だとしたら、金融庁は厳正に対処するとコメントしていますが、どんな処分が検討されるのでしょうか。
 この会社から「しゃれでした。まさかこんな報告がそのまま通ると思わなかった。恐縮しています」と言われたら、金融庁はどう答えるのでしょうか?一方的にこの会社ばかりを責めるのもどうかと思います。

 それから仏銀2位のソシエテジェネラルの、救済合併・分割が噂されるほどの巨額損失話。「あー、ソシエテも」と、サブプライム問題で巨額損失の発生も慣れっこに。しかし、よく聞くと、株式指数先物ディーラーひとりの不正取引で損失額が約7600億円も発生したとのこと。しかも、そのディーラーは大物でもなく、普通のディーラーだったらしい。
 1995年英国で発生したベアリングス事件。やはりいちディーラーの不正取引で200年近い歴史のあったベアリングス銀行が破綻しました。このときの損失額は約1380億円でした。今回の件は大きな額に驚かされただけではなく、不正取引に監視が厳しくなっているはずなのに、なんでこんなことが起こり得るのか、こんなトップ金融機関でさえこんな体たらくだったら、他に隠れているものもあるのではと疑念が広がるでしょう。個人的には、米国に続き、これからユーロで起こったバブルの清算が始まっていると思います。

 米ドルダメ、ユーロダメ。それじゃー、金。金ばかり持つわけにも行かず。それじゃー、価値は落ちたけど流動性が確保されている日本円。やっぱり米ドル・・・。安全・安定を求めて、マネーが世界をさまよい歩く時代がしばらく続きそうです。

 
2008年01月25日
相場が自立する邪魔をしないで!!
 本日の日経平均株価終値は前日比536円38銭高の13629円16銭。火曜日に12572円68銭まで急落したときは、10000円割れを覚悟した人もいたと思います。しかし現在の水準もただ単に今週の初めの水準に戻っただけで、急激に売られた反動の戻りでしかないという見方が多いでしょう。とりあえず29日、30日に行われる米国FOMCで政策金利がどのような結果になるのかを確認するまでは、これまで売っていた人の買戻しが入り、相場としては底固くなると私は想定しています。

 株高、円安のときは、余り書くこともありません。これまでどおり、急落場面で投資するかどうかをパニックにならず判断できるように準備していてくださいとお伝えするのみです。
もっとも今後の相場で憂うのは政治です。政治から発信される思い付きのような対策で惑わされることです。

 福田総理の、株価急落・円高・景気対策をやるのかやらないのか、理解不能の思わせぶりな発言。するつもりがないなら言わない。するなら黙ってやる。
 ガソリン税の暫定税率廃止で下がったはいいけど、その後復活するかもしれないとか、別の税を設定して新たに国民に負担を求めるとか。ありえないでしょう。会期内で結論を出す。出せないなら、期限を切って延期し国民的な議論を高めるとか、できないのでしょうか?

 いったん下がったガソリンが再び上がるかもしれないという疑念を残したまま、時間切れでガソリン価格が下がったら、世の中がどれほど混乱するかは、ちょっと考えただけでわかります。
自民党が悪いとか、民主党が悪いとか、いう問題ではすみません。
 お願いだから、その場主義のパフォーマンスで、相場が自立しようとする邪魔をしないでもらいたい。切にそう願います。

 
2008年01月24日
「誰が見ても割安。買いです」と言えない株式専門家??
 おかしいぐらい最近の株式専門家のコメントは慎重になってきました。18000円も買い、17000円も当然買い、16000円は絶対買い、15000円えっ?、14000円えっ、ええっ?13000円・・・(無言・・・)。そして今、「割安だけど、まだ底は見えず。チャート面では10年の移動平均線に乗っかってきたけど。ここを切ったら・・・。次の下げメドは何年の移動平均線を参考にしたらいいのかなあ?」と、チャーチストまで弱気。

 昨日は米ドルは2年8ヶ月ぶりの円高水準、104円台をニューヨーク市場でつけたあと、東京市場は107円手前の円安で戻ってきました。私の現在の見方ですが、米ドルでいえば112円が誰にも迷惑をかけることのない妥当な水準だと思っています。107円から110円の為替水準はいつもどってもおかしくない水準。したがって、円高が進行して102円程度の円高はいつ起こってもおかしくないですが、107円〜110円にはいずれ戻ると考えれば、107円以上の円高は、円高を怖れて投資できない水準ではないと考えています。
 たとえば105円を割ったら米ドル投資をしようと考えていた人も、東京マーケットでしか投資できる手段を持たない人は投資できませんし、寝ていたり、用事をしていたりで、その機会をとらえられなかった人もいます。結局104円台では投資できず、107円に戻ってしまい、ちょっとがっかり。

 同様に「日経平均株価の13000円の水準は割安で将来少なくても16000円はあるかも」と思っている人が12000円程度になったら投資したいと思って見ていても、いざそのときになったら投資するのが怖くなったり、もっと下がると様子を見たり、たまたまそのときに留守をしていて物理的に買えなかったり、有り得ると思います。結果買うのに悩んでいたり、留守にしていたりで買えないうちに、15000円程度まで戻ってしまうと、決めていたはずなのに買えなかったことを引きずり、後悔の念だけ残してしまいます。
 よく言われていますが、株価が1年で倍になるケースでは、継続的に株価がなだらかに上昇するのではなく、大きく急落し割安で放置された状況から急反騰する、わずか2、3週間程度で4割程度値上がりしてしまい、その後はその都度割高、割安を吟味されて上昇。結果株価が倍になったりします。つまり、大きく急落から反騰する2.3週間を見逃すと、その後のパフォーマンスは同じ株式に投資していても大きく異なり、ただ「1年で株価が2倍になった銘柄に投資した人」だけになります。
 申し上げたいのは、大きく急落して反騰するポイントをとらえる芸当はできません。しかし、その近辺で投資することは、気の持ちようで可能になることです。せっかくのこの急落相場。こんな相場は3,4年に1回。ここからの一段下げがあれば、10年に1回の機会かも知れません。

 アメリカの10年国債の利回りが3.5%程度まで下がりました。なんと日本を代表する優良企業の株式の配当利回りで、これを超えるものが目立ってきたわけです。為替リスクが無く、株式の値上がり益がもしかしたら期待できる。日本市場に外人が興味がないのは分かりますが、何故日本人が興味を持てないのでしょうか?日本株が買えない理由は何ですか?何と比較して割高なのですか?預金ですか?国債ですか?外債ですか?不動産ですか?

 相場の底がいくらなのか、いつなのか、を当てようとする気持ちはとうの昔に捨てました。決して、みなさんに「日本株を買え」と説得するつもりは毛頭ありません。ここでお伝えしたいのは、投資は自分の問題です。他人はあなたほどあなたの資産に対して真剣に考えてはくれません。他人の意見は参考でしかありません。他人の考えは自分の判断を助けるために聞くものであり、人を頼り切ってはいつまでたっても納得いく投資はできません。投資で気持ちが振り回されるこんなときこそ、まず「自分はどうしたいのか」、「そのためにどんな方法があるのか」、「そして今何をすべきなのか」を自分の中で整理することが必要です。その整理のために、人の話を聞くことは有意義だと思います。くれぐれも、人の意見に振り回されないように。

 
2008年01月23日
政府、日銀バラバラで何ができるか!?
 米連邦準備理事会(FRB)は、昨日早朝に政策金利を0.75%の幅で緊急利下げを行いました。市場は更に29日、30日の公開市場委員会(FOMC)でも追加利下げを期待しています。
 私は米国政府の減税策発表後も世界同時株安が続いたため、「緊急利下げの可能性はありかな」と思っていましたが、下げ幅を0.75%ではなく0.5%だと思ってましたから、FRBは思いきったものだと意外に思いました。しかし市場はそれでも「足りない」「遅い」と言います。

 テレビのニュース番組ではどこをひねっても、「世界同時株安、景気停滞期に向かう、スタグフレーションも」とか、「政治の無関心は許せない」、「年金はどうなる」などなどと、朝青龍関の勝ち負けの結果と同じぐらい、熱心に伝えています。「よくもまあ、こんなに悲観的な話ばかりを並べるなあ」と思います。悲観的な話の方が受けるからなのでしょうが、見ていて「興味本位で取り上げてもらいたくないなあ」と感じます。逆に、言いたい放題のコメンテーターの意見を真に受けて、実効性も考えずに政治家が人気取りの政策案を乱発して、かえって国会が回らなくなってしまうことを懸念します。

 今回の米国の対応は参考になります。景気後退を回避するには、政府と日銀が同じ方向で国民や世界にメッセージを発し、速やかな対策を実行することが必要だと思います。そういう意味では日本の状況は落第以前です。

 おそらく政府は、ここまでマスコミから「景気に無関心」という批判を受ければ、景気に関心を持っているという態度を示し、「政府は日銀に要請しているけど日銀が前向きではない」と日銀のせいにするでしょう。日銀総裁の任期が3月に迫っています。日銀総裁は順当に考えれば、現在副総裁である武藤氏なのですが、財務官僚出身の武藤氏の就任に民主党から異論が出ているため、次期総裁の決定が宙に浮いています。そんな状態で、現在の日銀には独自の政策を行える状況にはありません。おそらく政府・自民党は「民主党が反対しているから、日銀総裁が決まらず、市場が動揺し株安が進んでいるんだ」と民主党に責任を押し付けるでしょう。民主党は、「株安は明確なメッセージを出さない政府・自民党に問題がある」と主張するでしょう。そして何も決まらない。決められない。

 政府には日銀と協力して、断固とした景気運営をしていく気概が全く見えません。そんな政府と日銀の関係で、米国政府のような芸当は期待できません。

 私はますます、現在の投資環境が2003年のどん底とだぶって見えます。まさに当時は人、設備、不良債権のリストラが必要なのに、決断する人がいなくて、だらだらと国家的なじり貧を続けていました。政治のイニシアチブが全くなかったとき。「このままではどうなってしまうのか」という閉塞感と危機感がありました。そこで動いたのが、当時の小泉首相・竹中大臣コンビと福井日銀総裁。政府と日銀は景気回復に向けての共同作業を始めました。そのときには、与党・野党・専門家が「道路を造って公共事業を増やせ」とか、「預金者保護のために金利を上げろ」とか、「日銀がお札を刷って日本株を買え」とか、さんざん言いたいことを言いましたが、「できることはすぐやる。できないことはしない」と、政府・日銀にはメリハリがあったように思います。

 私はそのときも思いました。「こんだけやることがあるのに、やれていない状況が今なんだから。ちょっとやる気出してましになれば、この国は活気づくはず」。2005年9月の小泉衆院選大勝以降、日本は何をやってきたのでしょうか。2003年後半から2004年にかけて頑張った成果を食いつぶしただけではなかったでしょうか?
 すなわち、今はゼロスタート。何も期待しないところからのスタート。情けない政治がちょっとましになっただけでも、日本の評価が上がる可能性を感じませんか?いつ、何がそのきっかけとなるのか?私は楽しみです。日本経済の地力をそんなに悲観する必要はないと思います。民間活力の邪魔になっていることの改善に努力し、まともな環境を少し用意してもらえればいいことです。政治は誰が見てもおかしいことは排除し、当たり前のことを当たり前にしてもらうだけでけっこうです。

 

 
2008年01月22日
今の日本株の水準は割高か??
 ついに日経平均株価は13000円割れ。日本だけではなく、アジア株、欧州株も大きく下げ、世界同時株安となっています。年初日経平均株価は15155円で始まりましたから、3週間足らずで2500円も下げたことになります。

 私は金輪際株式投資はやらないと決めている人であれば別ですが、株式投資を今後の選択肢として位置づけている人であれば、是非2006年の夏ごろからの15000円から18000円に日経平均株価が登りつめていった株価上昇場面と、2007年8月から始まった18000円から買う人が報われない、来る日も来る日も下げる、現在の株価下落場面を記憶しておいてもらいたいと思います。
 株価が上昇しているとき、どんな気持ちだったのか。おそらく楽しくウキウキすることばかりではなかったと思います。「もっと上がってくれ」と思う気持ちは尽きませんし、「何でこんな割高が続くんだ」と忌々しく思う気持ちがあったかもしれません。
 株価が下落しているとき、下がることに心を痛める人あり、もう少し下がれと願う人あり。さまざまだと思います。最近では余りの下げに、下げを喜んでいた人でも当惑する人もいます。
 この2年間の経験を自分のものとして記憶しておけば、それは今後の株式投資を行う貴重な財産です。買っている人の気持ち、売っている人の気持ちの両方を理解できるようになることが、株式投資の今後に役に立つことは明らかです。

 私は日経平均株価は12000円が基点で割高な18000円まで上昇し、現在17000円が妥当なのか?、16000円が妥当なのか?、15000円が妥当なのか?
へっ?14000円?えっ、えっ?13000円割れ???
という具合に、妥当株価を見失って、とうとう基点近くまで戻ってきたと見ています。18000円から12000円の3分の一戻しで、14000円。ここはいいところ。半値戻しで15000円、3分の2戻しで16000円。この水準まではいつ戻してもおかしくないと考えています。もし上がらなくても、2%以上の配当利回りが期待できる個別銘柄はごろごろしています。
 ここで株式投資を躊躇する理由はなんでしょうか?まだまだ株価が下がると見るから・・。それはいくら1万円?8000円?6000円?なくなちゃうの?株価はいずれ反転します。日本株は金輪際魅力はなくなり、14000円を超える水準はありえないと思っている人であれば別ですが、14000円までの戻りはいずれあると考えるのであれば、1万円は買いだし、8000円はもっと買い。株価が反転し下値不安が消えた場合は、「13000円でも多分買うかも」と思う人なら、その分を今買ったと思って投資する考え方はできないのでしょうか?

 今であれば確実に13000円で投資することは可能ですが、下がったときに迷わずに1万円、8000円で投資できる自信はありますか?それ以前に、その水準が絵に描いた餅で終わる可能性もあります。私は相場の底を当てることに一喜一憂しストレスを感じて投資するよりも、「この水準だったら買って損はない」と思ったら、機械的にバサッと投網をかけるような投資スタンスで臨んでいます。
 底は買えません。しかし底近辺をたまたま買うチャンスは誰にもあります。割高なところで投資しなければ、いずれ報われます。今の日本株の水準は割高ですか?

 
2008年01月21日
ETFは投資家が求めているのか、取引所が求めているのか??
 ETF、取引所で取引される投資信託。株価や商品の値動きに連動するインデックスファンド。通常の投資信託とは異なり、取引所で上場している株式と同様に常に値動きがあり、指し値はもちろん、成り行き取引、信用取引も可能です。一般の投資信託に比べ、売買手数料、信託報酬ともに安いところが注目され、取引所は海外に既に上場しているETFを国内でも投資が出来るように積極的に準備を進めています。

 通常の投資信託を現金に換える場合は、解約であったり、運用会社の買取りであったりで、よほどのことがない限り、換金できないということはありません。しかしETFは市場で買い手がいなければ値がつかず、売れないことが当然あります。売り気配で何日も値がつかないことだって有り得ます。当初の売買手数料は通常の投資信託に比べて安いですが、常に値動きがありますから、ついつい売ったり、また買ったりをしたくなる機会が増えます。過当売買をすれば、安い手数料でも負担になり利益を損なう事も有り得ます。

 取引所がETFに期待するのは、株価低迷で個人投資家の参加が細っていること、そして戻ってくる様子もないことに対する危機感です。そのため、外国為替証拠金取引、商品取引、そしてこのETFと次々品揃えを増やして、投資家を呼び込もうとしています。

 ETFという商品自体は投資家にとって有効な投資手段のひとつだと思いますが、果たして投資家が求めた結果の品揃えでしょうか。ETFは株式と同じで、常に買いたい人と売りたい人が存在するような、投資家が途切れなく入ってくる、流動性の高い市場を作るという覚悟が必要です。
 ただ品揃えをするだけであれば、現在の新興市場株のように、たまにしか売る人がいない、買う人がいない、滅多に取引が成立しないゴースト銘柄を増やすだけで、最後には上場廃止で投資家に迷惑をかけ、悪い印象を残すだけです。覚悟のない品揃えはかえってマイナスだと思います。

 大事なのは品揃えではなく、投資家が何故投資に気力を失いかけているのかの声を聞き、今後の対応をはかる努力ではないでしょうか。投資家が元気がないのは、ただ損をしているからだけではないと思います。小手先のイベントではなく、取引所、販売金融機関、運用会社など、投資関連のお仕事をしている人が原点に返って知恵を出し合いリセットしないと、投資家から頼りにされる存在には戻れず、「ただ手数料頂戴の業者」としか見られなくなりはしないかと危惧します。

 それから海外ETFにはある意味注目しています。もし中国株ETF、インド株ETF、BRIKs株ETFなど、新興国株式のETFが根付いた場合、既存のアクティブ型投資信託との運用との差はどうなるでしょうか。新興国株を対象にした投資信託の手数料は比較的高いものが多く、そのコストに見合った実績であるかどうかを実際比較してみたいとずっと思っていました。楽しみです。
 逆に言えば、運用会社にとっては、運用成績の説明責任を問われる緊張感が増す時代に入るということになります。

 
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