2008年08月30日
行き過ぎの水準から妥当水準を模索する場面に!!
 相場を眺めていると、妥当水準に留まっている時期はほんのわずかな期間しかなく、大抵は浮かれた買われ過ぎであったり、悲観した売られすぎであったりする期間の方が長いように思います。どうも今は、行き過ぎて買われすぎたものが妥当水準を模索する段階に入ったように感じます。
 通貨ポンドは「ユーロに近くて、ユーロにあらず」とユーロと米ドルが基軸通貨争いを続ける中で絶妙な位置をキープし存在感がありました。ところが、今年7月を境にして、弱含みのトレンドに入っています。円に対してポンドは197円60銭まで安くなり、昨年の250円台が嘘のよう。3年前の水準です。米ドル対しても1.817まで安くなり昨年の2.1台よりも3年ほど前の1.75の水準の方が近くなりました。英国、ポンドは金融のメッカ。信用収縮のあおりをもろに食っている表れのように思います。
 この春先に行われた国内企業の2007年度決算では、最高益の発表に違和感を感じながらも、4-6月期では良い決算の中に「減益」という文字が目に入るようになり、最近では資金繰り倒産の記事が目立つようになってきました。
 商品市況欄には、相変わらず「値上げ」の文字が目立ちますが、その中に「値下げ」という文字も混じり始めてきました。建設資材、マンション価格、石油製品、自動車・電気部品。
 インフレ懸念よりも景気後退懸念の方が深刻。しかも世界同時。消費はいったん慎重になると、お祭り景気が訪れない限り、人の気持ちは浮かれることがなくなります。衝動買いはなくなり、「良いものを安く」という限定買いに走ります。供給側も無駄なものを作らなくなります。
 信用収縮は需要の収縮となり、人々は「今まで何でこんな無駄な買い方をしていたのか。何でこんな高い買い物をしていたのか」と一斉に反省します。これって、いつか来た道。
 もう少し時間がたてば、「何でこんな良いものがこの価格で放置されているのだろう」という割安を見直す時期が再び来ます。
 今回の経済対策が相場に与える効果は未知数ですが、少なくても「何もしない、何も出来ない政治」が経済・金融に向けての一歩を踏み出す宣言を行った意味はあると私は評価します。
後は「言ってみただけ」ではなく、いかに実行するかが大事ですね。

 
2008年08月29日
「外債投資がつまらない」ということは!!
 本日、私のクライアントの方と「前川さんの”いま債券投資が面白い”を読ませていただきましたが、どうも外債投資をする魅力的な水準ではないと思うのですが」という話になりました。

 このブログを長く読んでいただいている方なら、「そう言えば、前川は外債投資のタイミングについて、長らく何もコメントしていないなあ」とお気づきだと思います。外債投資が魅力的なときは、「金利が高い」、「為替が円高」、「金利が高く、為替が円高」ですが、現在は為替水準はまずまずの水準ですが、年内にまだ円高に振れる場面があると思いますし、金利の水準は長期固定するには物足りない水準だと私は考えています。したがって、外債投資は割高な水準です。
 外債投資を考えている人は、円高に大きく振れた場面で外貨MMFで為替を押さえて、金利が高くなるのを待つというスタンスでよいと思います。

 従ってモノサシである外債投資が割高になっていると考えれば、「逆に割安になっているものは何か」という視点が必要だと思います。今年の年初から申し上げていますが、私は「日本株式は割安」だと考えています。そんな風に年初から眺めていたら、リート、新興国株式、信用リスクを抱えた債券と次々急落してきました。割高の修正が働いているのです。
 「羹に懲りて(あつものにこりて)」ではないですが、外貨投資の王道ファンド「グロソブ」系の投信や国債が消去法で買われています。これは、少しもったいない気がします。「グロソブ」系や国債はいつでも買えますよね。せっかく、「株であれば買われ、不動産であれば買われた」割高・割安の差がない環境から、「割安で放置され、野ざらしにされている」投資対象が出始めているわけですから、物色ぐらいはしたいものです。

 「いま債券投資が面白い」で申し上げたかったことは、「債券投資をモノサシにして、自分が取り組もうとしている投資対象が割安なのか、割高なのかを確認しましょう。債券投資を知ると、割高・割安を知るのに便利ですよ」ということです。何度も申し上げますが、今は債券投資よりも、もっと割安な投資対象があります。

 それから、近代セールス社の方から「前川さん、”いま債券投資が面白い”の本が10月から始まるTBSのドラマ「流星の絆」の一場面で使われるそうですよ」という連絡を頂きました。主人公の方が金融を勉強するシーンの小道具のようです。書名がわかるほどの見せ方はないようですが、面白いですね。本の配色を気に入っていただけたのでしょうか。本のテレビデビューです。

 お気づきの方、いらっしゃると思いますが、正式に本の出版が決まりました。「あなたの投資信託選びは間違ってないか?」が9月3日から店頭に並ぶようになります。
うちの女性メンバーからは「このデザインはいいですねえ」と褒めていただきました。
「投資信託とは」という知識本でも、「こうしたらあなたは儲かる」というノウハウ本でもなく、純粋に「自分にあった投資信託をみつけたい」という人に、「何をどんな手順で知ってもらえればよいのか」を考えた末の本です。正直、かったるい部分も途中あるのですが(必要な内容なのですが)、そこはさらっと流して読んでいただき、最後まで軽快に読み通していただければ幸いです。

 
2008年08月27日
きな臭い雰囲気になってきました!!
 株価が大きく下げ、不動産価値が下落して、押し目を期待していた投資家さえも、買いを様子見るようになる。そんな景気停滞、低迷色が強くなってくると、割高まで買われるバブル相場は彼方に追いやられ、一方、新興国では国内政治の無策を責める国民の不満をガス抜きするために、政府はあの手、この手と、国民の目線をそらす手だてを打ってきます。国内の不満エネルギーを、海外に共通の敵を作り、一致団結を図る。なにやら、きな臭い雰囲気になってきました。

 こういうときは、資産を守り増やすために「何が儲かるのか」という視点ではなく、「何が割安か」という視点が大事で、「割高の疑いがあるもの」、「わからないもの・理解できないもの」は投資対象から外して考えた方が良い時期だと思います。何度も申し上げます。Simple is Best
預貯金よりも確実にリターンアップを期待できるものを順々に積み上げていき、自分にあった投資スタイルを見つけていきましょう。「えい、やっ!」という一足飛びのチャレンジをする人は、もはや少なくなっているとは思いますが、これは無謀です。かといって、ただ体をすくめて丸まっているのも、もったいない環境です。いつでも飛び出せるように、日頃の準備をしないよりも、しておいた方がよいと思います。

 
2008年08月26日
税制をセールストークに使ってはダメと言って置きながら!!
 金融商品や保険商品などを案内するときに、その時々の税制の有利さを取り上げ、セールストークに利用してはいけないという行政の指導があります。税制は変わるものだから、将来不確かな情報で、投資家や保険者の決断を促す行為を戒めています。

 にもかかわらず、そのときどきの事情を優先して、国民の資金を思うとおりに誘導しようと、特例の税制という形を乱発し、投資税制が複雑になっています。口座を開設するとき、買うとき、売るとき、そして申告するとき、「自分の事情にあったやり方として、どの選択をしたらよいのか」、「今行った方法は、果たして正しかったのか」。考え出したら、きりのない迷いや不安を抱く人が多いのではないでしょうか?

 そんな中で、源泉徴収という仕組みは本当に便利なものです。わからなくなったら、判断に困ったら、これを選べぶことで税金関係は終了です。この仕組みを是非大事にしてもらいたいと願います。
それから、今議論されている證券優遇税制ですが、「高齢者」という縛りはやめて、わかりやすいように、投資家としましょう。年齢の縛りをつけるだけで、現場・当事者は無駄な混乱に備えた準備をしなければなりません。とにかく、「税制はシンプル」、「手続きはシンプル」をめざしてください。
投資する熱を奪うような、本末転倒な試みだけは勘弁してください。

 
2008年08月25日
買ってもいい、買わなくてもいい相場が続く!!
 北京五輪が閉幕しました。これでやっと仕事にも身が入るようになりますね。特に遠出をする予定もなかった私は、ついついテレビがお友達になっていました。思えば、毎日の雷、土砂降りで、買い物も必要最小限にすませ、家に引きこもっていたのは私だけではないと思います。私は雷が異常に恐く、雷が鳴り始めると、無事に家にたどり着くことだけを願いました。
 海の家の景気はどうだったのでしょうか?行楽地の出入りは?百貨店などの売り上げは?私の肌感覚では、どれも予想外の低調だったのではないでしょうか。

 相場も参加者が少なく、薄商いで、低調、低迷。水準が割高でもなく、どれも「買ってもいい、買わなくてもいい」相場水準だと思います。この水準はBuy and Forget(買って忘れて)。我慢した子にはご褒美に変わる水準だと思います。

 「もし今自分に現金があったら、思いっきり物件を安くたたいて投資し、将来の宝にするのになあ」と残念に思っている方が多いのではないですか?つまり現在の水準は、「世が世なら」買いたい水準に入ってきた。この感覚は正しいと思います。

 惨敗となった星野ジャパンを率いた星野監督が「強いものが勝つんじゃなく、勝った者が強いんだ」と敗者の弁を述べました。それを聞いて現在の相場は「安いものを買ったから儲かったのではなく、儲かったのは高く売ったからだ」と思いました。
 買って、忘れていて、よい水準ではありますが、「儲かる」には、「これでよし」という水準を決めて利益を固めておかないと、次の下がって投資する機会をまた眺めてしまうことになりかねません。
「下がれば上がり、上がれば下がる」の繰り返し。一方的に値が上がったり、値が下がったりする、相場展開になるのは、まだまだ先になりそうです。

 
2008年08月24日
ちゃんとわかってくれれば選んでもらえる!!
 昨日、第一商品という会社のセミナーで、外国為替証拠金取引(FX取引)について、講師として話をさせていただきました。60人ぐらいの方が参加され熱心に耳を傾けていただきました。特に私はこの機会を通じて、FX取引のリターンとリスクのイメージを持っていただき、強制終了されることなく、長く外貨投資を続けていくためのつきあい方とメリットについて、参加者の皆さんに伝わればという目的で話しました。伝わったでしょうか?
 第一商品のセミナー講師は初めてでした。事前に「第一商品がFX取引にどう取り組んでいるのか」をチェックしましたが、ある意味びっくりです。他のFX業者と比較すると、すぐにわかるぐらい、投資家にとってコストが高い業者でした。「こんなやり方で、FX取引の業者として生き残っていけるのかなあ」というのが感想でした。
 セミナー前に、第一商品からの要請は「うちは投資家に余裕のあるFX取引をしてもらいたいと考えています。値上がり利益をバタバタ狙うやり方は勧めていません。余裕がある証拠金でゆったりと取引を継続して欲しいんです。その趣旨にあった話をしてください。それ以外は注文はありません。自由に思ったことを話していただいて結構です」ということだけでした。
 加えて会話の中で「私たちはそのようなFX取引をめざしているのですが、自分たちが投資家に訴えかける以上に外部の方にお話しいただいた方がより効果的に伝わると考えています。そして結果、投資家から私たちにお問い合わせがあれば幸いだと思っています。私たちはインターネット取引だけではなく、対面での窓口対応も重要と考えています」ということを聞きました。
 私のブログを読んでいただいている方ならお気づきでしょうが、私はこのことを聞いて非常にうれしく思いました。

 昨年来、投資家、預貯金者はみんな悩んでいるのです。そして、その悩んでいるときに、販売した金融機関は自分の保身だけを考えていて、何の役にも立たない、あてにできない存在だと、既存金融機関を切り捨てようとしています。ひどいところは、自分が切り捨てられかけているのに、それにも気づいていません。金融機関の鈍感さにはびっくりさせられます。
 自分たちで投資家のフォローができなければ、第三者の力を借りるのもひとつの手です。しかし、その第三者は、投資家の代弁者、投資家側の立場に立つ人間で、投資家の悩みを受け止めた上でコミュニケーションを取れることが前提です。投資家は自信を失い、被害者になっているわけですから、その第三者の役割が、主催者側の言い訳を擁護したり、主催者側の売りたい商品を売りつける手助けであるなら、投資家の信頼は更に失うことになります。

 金融機関は今こそ、目先の値動きに振り回されている投資家や投資の継続をあきらめかけている投資家に対して、「今後どうするか」を自分で判断・確認する機会を積極的に作るべきだと思います。「今買うならこれ」とか根拠もなく勧めたり、逆に「目先相場は終わってしまった。打つ手なし」と販売側が元気をなくしたり。そんな金融機関は投資家の何の助けにもなりません。「今を受け止めて、今後どんな対応が考えられるのか。そして自分はどんな準備をしていくのか」を、一緒に考える機会を作ることの方が大事だと思います。
 そういう意味で、今回の第一商品のような、「悩みを持つ投資家さんが参加していただき、何かヒントをつかんで帰って行っていただければ」というセミナーは他も見習うべきだと思います。

 私の提携先「生活設計塾クルー」では、毎月2回、東京中野区の中野サンプラザで、定期的なセミナーを、2002年8月から6年間続けています。これまで、「損保ジャパンDIY生命」、「オリックス生命」、「富士火災海上保険」、「全国生協連」がこのセミナーの協力会社としてサポートしていただきました。協力会社に共通するのは、「協力会社の宣伝をしない」、そして「協力会社は内容について注文をつけない」ということです。それでも、このセミナーを応援してくれているのは「消費者が何を大事にすべきか賢く判断してくれるようになれば、自分たちの会社を選んでもらえる」という自信があるからです。
 金融機関が「投資家は自分たちよりも賢くなったら商売がしにくくなる」と考える時代は終わり、「賢くなった投資家に、自分たちの商品を選んでもらうように品質で勝負する」時代に入りました。
「どうしたら投資家が賢い選択をして、しかも投資家が自分たちに声をかけてもらえるようになれるのか」、販売金融機関側の工夫が重要になると思います。
 投資家は今こそ、前向きに自分にあった投資スタイルについて考える時です。

 
2008年08月23日
結局ドル高、ユーロ安・ポンド安の流れは変わらず!!
 上がったものは下がり、下がったものは上がり。結果、相場は方向性を見いだせず、トレンドは依然、ドル高、ユーロ安・ポンド安の流れは継続しているという印象を持ちました。
 ニューヨークダウ指数は上下はありましたが、11400ドル〜11500ドル前後の動き。日経平均株価指数も最終的には13000円手前まで戻る。しかし、ドルと対極であるユーロ、ポンド、そしてその先にある原油価格・金価格の下降トレンドは続いています。原油価格は111ドル台から122ドルまで上昇した後114ドル台まで下落。金価格は775ドル程度まで下落後835ドル程度まで上昇し822ドルまで押し戻される、荒っぽい動きとなりました。
 ドル高が原油価格や金価格の下げを誘ったという見方が多いですが、私はむしろドルが主ではなく、原油価格や金価格が本来あるべき位置を見失い、不安になった資金が流出し、結果ドルが支えられているのではないかと考えています。ドルは決して割安な水準ではありません。しかし、それ以上に、原油価格と金価格の妥当水準に迷う人が多いのだと思います。

 注目しているのは、ドルに対して7月から本格的に下落したユーロ、ポンドの今後です。米ドルに対してユーロは1.6から1.46まで急落、1.49までいったん戻しましたが、1.478で引け。半年以上前の水準です。ポンドは2.02から1.85まで急落、2年前の水準まで戻されました。
以前にもこのブログに書きましたが、資金の流れが明らかに逆流しています。ドル下落を恐れ、ポンド、ユーロに流れた資金が、信用収縮の流れを受けて消去法で最弱通貨を争っていたドル、円に戻っているようです。敗戦処理が背景ですから、値上がり利益を目的にする投資家にとっては、しばらく我慢の日が続きそうですね。
 花見気分の人はいなくなり、しようとする人もいなくなり、綺麗な花を見ようと思えば、存分に自分のペースで見ることができる環境になったと考えたいものです。去年、「投資しようかどうしようか」と躊躇していた人は、本当にラッキーな機会に遭遇しています。あのときの情熱を思い起こし、セミナーに参加するも良し、本を読むのも良し、人に話を聞くも良し。2年後、3年後の種まきをする時期として大事に過ごしてください。
「人の行く裏に道あり花の山」。それ以上のチャンスが目の前に広がっていると私は思います。

 
2008年08月22日
潜在ニーズは強いのに何故??
 燃費向上のために、鉄やガラスの代わりに、軽量で強度が強く加工しやすい新素材が期待されています。量産化など今後の工夫により、既存素材より低いコストをめざして、そこにビジネスチャンスがあるはずと、努力する企業があります。
燃油自動車が電気自動車や燃料電池自動車へと移行する過程では、既存の自動車会社ではなく、電気会社や化学会社がリードする時代になるかも知れませんし、自動車部品会社の品質が高い緻密な技術は他の業態での転用も期待されています。
 潜在ニーズを実現するために、「何が障害になっていて、どうしたら実現が可能なのか」と関連するところが知恵を出し合い、ものにしようとする意気込みが感じられます。近い将来、道が開けてきそうな期待があります。
 一方で、潜在ニーズがあると言われている金融商品、上場投信(ETF)は伸び悩んでいるという記事が日経記事にありました。相場が低迷しているという環境が背景にありますが、「品揃えを充実する」という方法以外に工夫が見えません。「品揃えが少ないから」投資が盛り上がらないのでしょうか?最近、売買単位を引き下げたり、ETFのデメリットであった部分の改善が見られたことは評価できます。
 同時に、東京金融取引所は外国為替証拠金取引で店頭取引の業者に負けないように、店頭取引並みに取引通貨を拡充するという発表をするとやはり日経新聞の記事にありました。ここでも、市場活性化の期待は品揃えの充実のようです。

 今後も「金余り」の好況相場の機会は何度もあるでしょう。そうなれば、閑古鳥が鳴く金融市場も自然と息を吹き返し、お金が勝手に入り、ETFや外国為替証拠金取引が「儲かる」と注目される日があるでしょう。しかし、これも何度も経験していることですが・・・。
 ジャスダック、マザーズ、ヘラクレスなど新興市場間の上場企業の数を競い合った結果、偏った投資家の買い方にあぐらをかき、一般投資家への普及努力をしてこなかった不動産投信(リート)の結果をどう受け止めているのでしょうか?
 ETFは、「新興市場やリートの次」という位置づけにして良いのでしょうか?
有望な自動車産業に期待する、「既存自動車関連企業」、「電気企業」、「化学企業」、そして「インフラ企業」は、それぞれアイディアを持ち寄って、自分たちの新たなビジネスチャンスの場を創造する努力をしています。このままでは生き残れないという危機感を感じます。
 取引所、金融機関、運用会社は、その努力と危機感を見習うべきです。でなければ、ETFや外国為替証拠金取引は24時間利用できる海外市場のインフラを整備してくれれば十分です。投資家のためになる知恵を出してください。

 
2008年08月21日
外貨投資の魅力を伝える担当者育成が課題!!
 本日の日経広告で大和証券は、外貨MMF、新発・既発外債、FX取引をラインにして、投資家に外貨取引の充実したサービスを提供すると宣言しました。私はずっと思ってました。何故、大手証券はフルラインナップでいろいろな金融商品を揃えているのに、「次これやってみよう」という単発の仕掛けしかできないのか。非常にもったいない。「他との強みがどこにあって、何故活かせていないのか」ということを経営や企画の立場の人が普通に考えていれば、誰もが行き着く答えなのにと。
現場や投資家のニーズや不満を吸い上げられていない証拠だと思っていました。

 外貨取引のサービスを充実すれば、投資環境の変化に伴い、国内の取引にも関心が高まります。「外貨取引はどうかな、国内取引はどうかな」、こういう目配せが常にできていれば、「売れ筋の二番煎じの御利益」を狙って血眼にならずとも、自ら投資家をリードする提案ができるようになるのではないでしょうか?今回の大和証券を習って、野村證券も日興コーディアルも、充実した外貨取引サービスの質を競い合ってもらいたいと願います。

 ただし外貨取引はいくらラインナップを充実させても、ただ並べるだけでは一般の投資家は「どう利用したらよいか」に戸惑うばかりです。金融商品の仕組み・特徴の説明はもちろん必要ですが、「外貨取引をどのように利用したらよいか」という使い方の提案が欠かせません。
 投資家に自己責任を負わせようと、インターネット取引に誘導しようとすれば、企画倒れで実は上がらないでしょう。外貨取引の相談を気軽に受け付け、外貨投資の魅力を伝える担当者の存在が必須条件です。大和証券は経営の重要課題として、一時的な思いつきではなく、「外貨取引は大和証券で」という認知を広く投資家に浸透するように、人材育成を含めて、目に見える真剣な取り組みを期待します。
 以前、このブログにも投稿いただきましたが、私はここ数年、「大和証券の外債」で情けない話を何度も聞いています。
 
 「支店で既発外債について説明を聞いたら、誰もまともに対応できる人がいなかった」
 「米国ゼロクーポン債を買いたいと相談したら、取り扱っていないと言われた」
 「既発外債の取り扱いはしていないと言われた」

 は〜あ?ラインナップの充実もさることながら、会社の顔である、窓口担当者が「外貨取引の良き語り部」であることの方が重要です。せっかくの取り組みなのですから、恥をかかないように。
品揃えを充実させれば、インターネット取引だけで外貨取引が活発になるなんて考えを持っているのであれば甘いですよ。

 
2008年08月20日
悩ましいリート投資!?
 昨年5月末2600だった東証リート指数が急落というか、暴落というか、昨日は半値を割り込む1270の水準まで安くなりました。この間、ほとんど逃げることもできず、そのまま抱えて株価の下げを呆然と眺めていた人が多いのではないでしょうか。

 こんなに株価水準が下がったわけですから、そろそろ割安感が出始めてもよいと思うのですが、実際投資するには慎重になってしまう、リート投資には悩ましさがあります。

 リートは借り入れを行って収益物件を保有しているので、常に資金調達の呪縛から逃れられません。信用収縮で資金調達が困難な環境は今後も続きます。これだけ急に株価が下がれば、株式の新規発行ニーズに応えてくれる投資家もいません。当たり前ですが、不動産物件はすぐに換金するのは困難なのが普通であり、資金を返済することも、そう簡単な話ではありません。
 なによりも、リートに投資する、買い手がいません。リートが上昇する相場で買い手としてエンジンの役割を果たしたのは、貸出先がなく融資競争が激化してはじき飛ばされた地方の金融機関、そして分散投資の対象として注目を集め馬鹿売れした資産分散型投信でした。このエンジンが今は完全に止まり、逆噴射でむしろ売り手に変わる心配があります。

 しかし、この結果をリートだけに責任を押しつけてしまうのは気の毒だと思います。健全な借り手にお金が回らない信用収縮に問題があります。リートは2003年以前の不動産不況を救った立役者です。それこそ、信用収縮から日本を救った立役者でもあります。そこをリートの自助努力に任せて政治は見殺しにしてよいのでしょうか?
 投資をする、しない、以前の問題を放ったらかして、「何で上がらないのかなあ。相場のことだから仕方ないかあ」と他人事ですます政治が、ここに来てまた足を引っ張り始めています。
受け狙いの思いつき優遇税制など、余計なことで投資環境を乱さないで欲しい。

 
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