2011年07月30日
先送りが困難になってきた現実を見せられた7月相場!!
 7月の相場展開は非常に納得がいかないものでした。山積した政治課題を先送りしてきたのは日本だけではなく、ユーロのギリシャ支援問題、米国の債務上限引き上げ問題、そして、もはや隠し通すことが困難になった中国の暗部のひとつ高速鉄道事故対応と続き、相場の熱を冷え込ませてしまう事態が続いています。
「おそらく、今回はこういう決着で落ち着くだろう」という問題の先送りが、いつまで許されるのだろうという疑問・心配が噴き出た月だとも言えます。

 こうした課題に、すぐの解決を期待するのは無理な話ですが、そうは言っても、ここまで泣き出し、駄々っ子になってしまったマーケットを放っておけば、ますます政治が停滞してしまうという危機感と、株安・ドル安からの一時的な反動に対する恐れから、当面の8月相場は世界的に市場に対する宥和策が期待され、戻り基調に入ると考えています。宥和策。対立する相手を寛大に扱って仲良くすること。

 引き続き、ドル円相場は緊張の時。1ドル=77円近辺まで来ました。個人的には、ここで何も政府・日銀がアクションを起こさなければ70円前半まで円高が持ち込まれる可能性が大であり、効果を別にして、明確な意思表示が必要な大事な場面だと思います。

 大変残念なことですが、前回3月にあった円高局面以降、政府・日銀は具体的な円高対策として、何をやってきたのでしょうか?政府・日銀の為替介入ではすでに効果を長続きさせることは困難だとわかっていたはずです。だったら、違う対策をキチッと打っていこうよ。
 強い円を利用して、国益に役立つ外貨資産を積極的に組み入れていく。そして、それを内外にアピールすること。何か具体的な行動、主張があったのでしょうか。
政府・日銀は、企業、特に商社は積極的に資源を確保するための動きが目立っていたように、是非姿勢を見習ってもらいたい・・・。

 せっかく、復興需要に向けて、民間が勇気をふるい、前向きに努力しているのに、政治は後押しもせず逆噴射をかける始末。景気が冷え込んでいく懸念を払拭する大事なタイミングに8月があり、転換点になることを期待したいです。

 
2011年07月28日
どこもかしこも政治に翻弄され、マーケットは駄々っ子に!!
 政治で翻弄されているのは日本だけではありませんね。ついこの間までは、ユーロのギリシャ支援、そして現在は米国の債務上限引き上げ。結局は、先送りにしてマーケットが想定する形で決着するのは目に見えているはずなのに、見るも不愉快なパフォーマンスや駆け引きを見せられて、市場は「オラ、オラ、オラ」と怒り出し、駄々っ子になり、泣き出した様子。

 昨日も「この円高局面でも為替介入はないんでしょうか?やっても効果がないって結果出たら大変だし、少なくとも8月2日の結果が出る前に介入して意味があるのかという声もありますね」という話になりました。

 私は8月2日前に、介入を行う可能性が高いと考えています。それは、積極的な意味での介入ではなく、政治として足跡をつけておくという保身的な目的です。介入を行った事実が大事なのだと思います。もし8月2日前に「いかがなものか」的な発言を繰り返すのみで、8月2日以降を迎えた場合に、たとえ円高がいったん収まる形になったとしても、政府・日銀に対する風当たりは強いものになると思います。
「結局、あの円高の局面で、政府・日銀は何もしなかった。できなかった」と経済界はもちろん、マーケット関係者からも非難されるでしょう。それを避けるために、「これは日本の意思表示だ」と介入を行い、「8月2日以降もにらみをきかせるぞ」と牙をむくパフォーマンスは必要なのだと私は思います。
 泣いても笑っても、8月2日は目の前。ドル・円の77円の攻防は非常に意味があるポイントだと思います。

 それにしても、政治はどこまでマーケットに対して無関心なのでしょうか?ん?不感症??

 
2011年07月25日
米ドル77円で円高値を折り返すか!!
 米ドルが82円を割り込み、80円抜けが難しい為替環境に入った時に77円までの円高は覚悟していました。何度も、このブログでは紹介していますが、私はそうなってもらいたい、そうなってもらいたくないの感情は別にして、米ドルと円の動きは5円刻みのレンジで動くものだと経験として受け止めています。私の米ドルに描く基準は117円でした。ここからの5円刻みです。
 87円を割り込む円高になれば、82円までの円高を想定します。82円を割り込む円高になれば、77円を想定し、77円を割り込めば72円を想定します。
逆に77円が固く、円高に抜けなければ82円を想定し、82円を抜ければ87円を想定します。

 そういう意味では、現在の77円に手が届きそうな78円前半の水準は、今後を占うのに重要なポイントになると注目しています。個人的には、さすがにここまでくると「市場に任せて」の言葉を繰り返すだけではまずいというムードが醸成されてきて、何らかの動きを期待、警戒するようになってきましたし、懸案だった米国の債務上限引き上げの件も時間切れが間近となり、いずれかの決着がでてきますので、ここからの円高・ドル安圧力も大きさも想定内であり、少なくとも77円の固さを確認し、円高を警戒する見方は後退していくと考えています。

 ここに来て山積した欧米圏の問題も先送りの内容で決着し、当面、停滞した投資環境のムードも重石が取れ、売られすぎた分の戻りを期待する展開になるのではないでしょうか。

 
2011年07月23日
野村證券も大和証券も・・ねえ??
 大和証券グループ本社は子会社で個人部門の大和証券と法人部門の大和キャピタル・マーケッツを、来年4月をメドに合併する方針を固めたようです。収益性の高い部門に重点的に配置するとか言っていますが、主な目的は重複する部門やシステムを統合してコストを削減することでしょう。

 今週は、野村證券と大和証券の株価がともに400円割れで接近していることが話題になりました。どちらが割安でどちらが割高か、という以前の問題で、勢いがなく失速した両社、そして、輝きを失ってしまった証券業界を象徴しているように思えます。
 その証券業界の中で、何度となく立場が危うくなった日興證券が三井住友FGという新パートナーが伴い、少し元気を取り戻していますが、それも長続きはしないと思います。

 国内で実績を残せない業態が海外に出ればなんとかなるとは到底思えません。やはり国内で欠かせない器であるという評価を受ける働きがあることが前提だと思います。
このままでは、自らが生き残るための手数料引き下げ競争に明け暮れ、証券業界の衰退を早めるだけです。
 いま、まだ生き残るだけの体力があるうちに変わるべき手だてを打つべきです。
「われわれは質の高い投資コンサルティングサービスを行います」と宣言し、特定顧客に喜んでもらえる対面営業に特化したらどうでしょうか。現在も口では言っていますが、顧客から評価の声が上がっていないのはできていないのを現実として受け止めなければなりません。もし、そういう評価が現在あるのなら、私の認識不足を責めてください。

 今後は手数料の引き下げ競争や売れ筋商品の押し込み営業は他に任せ、質の高いサービスを求める顧客に集中して、短期間で「よかった。よかった」という喜んでもらえるために何をすべきかを一生懸命考え抜くんです。
 もし、そこで顧客に喜ばれる成果を上げられれば、自然と他の証券会社も見習う動きになるはずです。

 以前は、自分の会社が将来を開くと証券業界、そして金融業界のリーディングカンパニーを目指したはずの会社です。ここで踏ん張って、現在の状況を打破できなければ、証券業界全体の存在意義も風前の灯火になります。
「野村證券も大和証券も・・・ねえ?」と人に興味を持たれない存在になるでしょう。巨人が存在しない業界は活気がありません。

 以前は「もし野村證券や大和証券がなくなったら大変なことになる」と思ってくれた人がたくさんいたはずです。・・・でしたよね?

 
2011年07月22日
下がったら、いつか上がってくるもの 心配ないさあ!!
 個人向け国債についてご案内した日経CNBCの番組を無事に終えることができました。私としては初めてクールビズを意識してノーネクタイで臨みました。画面の映りを見て、仕方ないことですが、「うーっ、おっさんだ」と思わず引いてしまいましたが、それは本当に仕方ないこと。小綺麗に映っていればOKだと思いました。

 内容は後半バタバタしましたが、前半と併せて聞いていただき、「とりあえず、新しい変動金利型10年個人向け国債がどんなものなのか」を調べてみようという人が増えたら、幸いだと思っています。

 私はこれまで外貨投資の基本は外貨MMFでした。しかし、円の確定利回りものには基本になるものが見当たらなかったのですが、今後は、この新しい変動金利型10年個人向け国債を基本にしたいと思うぐらい、個人にとって意味のある金融商品だと私は思います。
 もし、その気持ちがテレビの内容から十分伝わっていないようでしたら、今後も工夫して、一生懸命、個人向け国債の語り部として精進していきたいと思います。

 相場は、ドル安に悩む人以外にとっては、為替水準も株価水準も「今後は楽しみかも・・・」という展開になってきました。私は7月よりも、8月の方が下値が切り上げる楽しみな相場展開を想定しています。8月に向けて、久しぶりに「利益確定しちゃおうかな」というハッピーな人の売りと、やっと明るくなってきたから「買ってみようかな」と売りと買いが交錯する活発な相場展開の場面がないかなと期待しています。

 下がったら、いつか上がってくるもの。心配することないさあ。

 
2011年07月21日
なぜ売れる個人向け社債??
 結論から言えば、個人が個人向け国債のことを正しく理解されたら、かなりの企業にとって、個人向けに社債を発行することが困難になり困ってしまうことになると思います。

 先日は、ある証券会社のコメントに、「今後はさらに個人向けに社債を発行するニーズが増える」とありました。私もそうだろうと思います。しかし、それは企業側のニーズであるとことわっておきたいと思います。

 この7月発行の変動金利型10年個人向け国債の利率は0.77%でした。この利率を多くの個人は認識していないのだと思います。個人向け国債はつまらない、おもしろみのない金融商品であるという刷り込みが個人の中でできあがっているのだと思います。
 今回の変動金利型10年個人向け国債も、たった2300億円しか売れませんでした。前回のものが126億円しか売れていなかったので、「売れた。売れた」という話になってはいますが、確定利回り商品を求めるニーズがこれだけ高まっているのに比べて「全然」という水準といえます。

 一方で、4年、5年の個人向け社債が0.3〜0.6%の利率でも売れていたという報道もありました。これは明らかにおかしい現象です。つまり、今回の個人向け国債の存在は人の目に留まっていなかった証拠です。次回の変動金利型10年個人向け国債の発行が10月なので、「個人に低い金利で社債を発行するなら早くしなくちゃ」と駆け込みの発行が増えるかも知れません。

 個人向け国債は身近な金融機関のどこでも買えるので、個人向け社債のように前もって証券会社に口座を作っておくことも必要ありませんし、売り切れて買えないということもありません。したがって、個人向け国債をモノサシにすると、今後、個人に社債を買ってもらおうと思えば、金利水準で目を引くものでなければ難しくなったということです。

 0.7%以下の確定利回りもの??それっていいの?
そういうやりとりが増えるでしょう。

 明日の14時5分の日経CNBC「TOKYOマーケットウオッチ」で、この個人向け国債について、話をさせていただきます。

 
2011年07月18日
すごい、なでしこジャパン!!米国はやはり強かった!!
 なでしこジャパン、日本女子サッカーチームが女子ワールドカップで米国を破り、優勝しました。おめでとうございます。すごい。やっぱり、米国チームは強かった。勝って当たり前の米国チームは、やりにくい試合を戦い、やはり強かった。

 入れられて、追いついて、入れられて追いついて。「いつもだったら点を入れられてがっくりするところだったけど、今回は不思議にまだやれると思った」という選手の声が、試合そのもので、米国チームは非常にプレッシャーを受けていたように見えました。

 PK戦の米国選手の第一蹴をGKの海堀あゆみ選手が読みをはずされたにもかかわらず、飛び上がった足に引っかけてゴールを守ったのを見て、「これはいける」と思いました。
ファインセーブよりも、しまったと思った瞬間に体の一部が当たりセーブできた方が「今日はいける。ついている。全部止めてやる」と私には気分が乗れた経験がありました。世界一のGKに当てはめて考えるのは大変おこがましいのですが・・・。

 日本を背負って戦った、なでしこジャパン。自分たちの姿で日本人を勇気づけたいという強い気持ちが伝わってきました。いいものを見せて頂きありがとうございました。

 なでしこジャパンの勝利とは関係ないと思いますが、現在、円高が進行して、米ドル79円、ユーロ111円、豪ドル84円割れとなっています。私の申し上げたいことは変わりません。円資産から外貨資産にシフトするチャンスは続いています。今は更なる円高を怖がるよりも、円安になってしまうことを怖がるべき時期だと思います。

 
2011年07月17日
賃貸派か、持ち家派か??
 家賃の更新料は、期間が満了し、契約を更新する際に、賃借人から賃貸人が受け取るもの。「何の意味があるのか」と納得がいかない賃借人側から訴えが出ていましたが、最高裁が「経済的合理性がないということはできない」と微妙な表現により、更新料は有効という判決が出ました。

 この判決に安堵した地主・家主さんは多かったと思いますが、今後はさらに透明性を持って、賃借人に納得して更新料を支払ってもらう努力が課せられ、より楽なビジネスではなくなった印象は否めません。

 放射線量が話題になった某所では、お子さんを持つ家庭で不安感情はおさまらず、引っ越しを決断したところもあるようです。聞くところによると、賃貸の方々とのこと。持ち家の方は、悩みながらも、売るに売れない状況に様子を見ざるを得ない人も多いようです。

 ここでも、賃貸派は身軽で良いという評価がありますが、個人的には、賃貸派が得、持ち家派は損、という構図ではなく、賃借人は得、賃貸人は損という視点が私は気になりました。

 状況に合わせて、賃借人は自由に動き回れるということは、賃貸人は賃借人が「いつ出ていくのか」、「何で出ていくのか」、「どんなサービスを提供できたら、賃借人に長く住んでもらえるのか」を常に意識し先回りして動かないと、常に空室に悩むオーナーの数は増える可能性が高いと思われます。賃貸オーナー受難の時代ですね。

 「いざというときは貸せばいい」とにわかオーナーになることを甘く見て、分不相応な高額不動産物件を購入するのはよく考えた方がいいと思います。「ローンを賃借人のために払っているようなもの」と後悔したくないものです。

 ここで告知です。7月22日14時5分の日経CNBC「TOKYOマーケットウオッチ」で個人向け国債について、話をする機会を頂きました。昨年から私が追い続けてきたテーマのひとつなので、楽しみにしています。

 
2011年07月15日
投資よりも健康であり、働ける環境が確保できていること!!
 将来のイベントを考えて5年先、10年先のライフプランを立て前向きな一歩を踏み出したいところだけど、なかなか読みにくい環境が続いており、画さえ描けない人が増えてきています。

 「投資どころではない。そんな余裕があるはずがない」

 実際、ライフプランを立てるのに必要なことは自分の足場が固まっているかです。
何よりも恵まれている条件は、当たり前のように考えがちですが、健康で働こうと思えば働ける環境が確保できていることです。これさえあれば、投資はやってもいい、やらなくてもいい扱いになり、気を楽にした形で投資を始められる理想型です。

 世の中で、補助を増やせとか、税金を安くしろとか、いろいろな要求がありますが、やはり一番大事なことは雇用の機会を守ること、雇用の機会を増やすことの方が生きていく上で重要だと思います。

 現在、米国では米国での雇用をあきらめて海外に出て行ってしまった企業に対して、再び戻ってきてくれるように働きかけていますが、一度出て行ってしまった企業を呼び戻すのは非常に困難です。
日本も、現在、米国と同じように、我慢を重ねてきた企業が「日本で活動したいのは山々だけど、あまりに報いのない日本政府の対応に出て行かざるを得ない」といい加減気づけよと警告を出すことにも疲れて荷物をまとめています。
 出て行くのは、いわゆる輸出産業だけではなく、国内の小売りみたいな産業まで海外を目指します。2030年とか、2050年とか、そんな先の話をして、言葉遊びをしている余裕は日本にはないはずです。就職して世に出る心の準備がない大学生や学院生を失業者予備軍と考えれば、すでに日本の雇用も危機的な状況にあり、ますます、投資なんて縁遠いという人が増えていくのは必然ではないかと懸念します。
 国に頼っても仕方ないので、まず自分の健康と雇用を守ること、そして、余裕を作り、少しずつでも積み立てを行い、投資資金の種玉をつくる努力できる人が増えることを願いたいです。

 ここでお知らせです。来週19日(火)から22日(金)の4回シリーズで、日経夕刊「なるほど投資講座」の中で「債券を活用した資産運用」というタイトルで書くことになりました。今の時代、以前にも増して債券投資は知っておいて損がない方法だと思います。

 
2011年07月13日
なぜ、株安・ユーロ安になったのか!!
 相場の行き過ぎは必ず発生します。だいたい、相場はひとり合点なものですから、「ここは妥当」という水準に止まっていることの方が珍しく、割高や割安のどちらかに振れていることの方が多いです。
相場は時折、方向性を間違え、暴走した後、反転することもままあります。

 今回はある意味、突然、市場は暴走しました。
ユーロ危機がすぐさま収まるような妙案はないとみんな思っていました。そして、時間をかけて解決を図ること以外に道は無いとみんな思っていました。

 わかっちゃいるけど、「そんな対応でいいのか。そんな流した対応で良いのか」と資金を拠出する側にも、受ける側にも緊張感がなく、「おかしいじゃないか」と怒った状態にあると言え、EUが「悪かった。おさめてくれ。もう少し長い目で見てくれ」と危機的な対応を示し、市場をなだめにかかるのだと思います。

 ユーロの110円、米ドルの79円、豪ドルの83円台。この水準を見て、待っていた水準と思って迎えられたのか。それとも、「うわー、こんな円高になっちゃった」と呆然として迎えてしまったのか。
待っていた水準として受け止められた人の今後の奮闘を応援します。

 この市場の混乱が、今後それほど長引くとは私には思えません。むしろ、日本円が強い現状を説明する根拠を聞けば聞くほど、「本当かあ?」という疑念が強くなってきます。

 
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